キスだけじゃ感じない

         作詞 椎名恵 作曲 羽場仁志 編曲 大友博輝
解説 椎名恵さんの11thアルバム『Lovers』の9曲目に収録されている。道場主はベストセレクションアルバムで所持している。誤解を恐れずに書けば女の欲望が直接・間接入り混ぜて現れている曲と言いたくなる。
 「キスだけじゃ感じない」……「キスだけじゃ感じないのよ 証しにもならないから そう、キスだけじゃ誤魔化されない 好きならば私のすべて 抱いて」………う〜ん…道場主がこんなこと言われたらどんな対応をするだろうか?非常にストレートな対応をしそうなのだが(苦笑)。
 言わば主人公は「あなた」に愛の証しを見せる様要求しているわけだが、「キス」ぐらいでは基準に遥かに及ばないとすると何を求めているのだろうか?人によって何が大切かは千差万別なので軽率な事を言えばこの解説を下品にするだけなのが辛い(苦笑)。
 注目したい、というより頂けないのはこの歌の主人公が椎名ソングの主人公にしてはかなり計算高い面を露わにしていることである。「泣いたりしてみるのは 愛の重さ試すためよ あわてたあなただから まだ少しは見込みがある」を見ると嘘泣きをしてその反応で「あなた」が冷めていないかどうかを試した様だが、道場主は経験上こんな事されたらうろたえるだけでは済まない(苦笑)。
 しかしながら男も男で慌てて見せる一方で「秘そかに隠れてる 欲望の嘘」を抱いたりしているのだから丸で狐と狸である(苦笑)。なるほど主人公は「従順な振りをしてるのも その方が傷つくよりは 楽な手段だから」という女である必要を感じてしまうわけだ。
 爛れた欲望でしか愛を確かめないとしたら非人間的で悲しい事である。「好きならば私のすべて 抱いて」「抱いて」とはプラトニックな意味も含んでいると信じたい。


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