こんな晴れた午後に
解説 椎名恵さんのフィフス・アルバム『Dolce〜ドルチェ〜』の8曲目に収録。一言で言えば別れの曲である。但し曲調こそ暗いもののその辛さを吹っ切ろうとする力強さは充分に持っている。
背景的なものを見ると、どっちがいいも悪いもなく、互いに「You have never hold my heart again.」と「I have never seen your eyes again.」といった全面否定的な態度を明確にしている。だがそれは未練に捕われることなく、「こんな晴れた午後」のようなクリアーな気持ちで未来に向かおうという意志の現れでもある。
見落としてはいけないのが、「別れると決めて初めて お互いを知るなんて皮肉ね」や「同じまちがいを もうしないために」とあるように主人公も簡単に割り切って未来を見ているわけではない、という事である。無感情で何の苦労もなければ歌にはならないのだから。
「せめて最後は 何も残さずに」とあるのは偏に背負ってきたものが大きいからだろう。「最初から判っていたわ いつか離れていくこと」や「二人ともそう、同じ様に 愛されたかっただけなの」とあるようにわかっていたことが多くても避けられなかった結果を考えると、悔しさが大きい故に全面否定的な別れを経たの地でないと未来に進めないのだろうか?とも考えてしまう。
強い論調の裏に隠れた悲しみ−「I have never seen your eyes again.」と宣言するほど大きいであろう事がこの曲のコアであると供に心に刺さる点でもあると言えよう。
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