この闇を突き抜ける

この闇を突き抜ける

         作詞 大黒摩季 作曲 大黒摩季 編曲 葉山たけし
解説 アルバム『MOTHER EARTH』収録曲の3番目にしてこのアルバムの真打ちともいえる曲である(と個人的に考えている)。
 各アルバムには落ち込んだり、打ちのめされた気分になっているときに活力を与えてくれる曲が最低一曲はあるが、この「この闇を突き抜ける」は間違いなく『MOTHER EARTH』における筆頭である。
 初めてこの曲を聴いたときは「摩季ファンをやっていて良かった……。」という声を溜息と共に漏らしたものである(本当)。勿論ライブやカラオケにて大勢とで楽しむのにも最適な曲の一つである。
 歌詞の詳細に迫ろう。「灼けついたアスファルト うすっぺらな希望まで溶かしてく 蜃気楼みたいな街」「まったなしに迫り来る 現実」「真実味ある言葉で ウソを全部覆い隠して 生きてる男ら」といった歌詞は本当にこの世に「闇」が多いことを思い知らしてくれる。
 そんな中で「信じている たとえかすかな未来でも」と歌えるのはその未来が闇の彼方にあって光り輝いているからだろう。
 別の言い方をすると、光り輝いていると信じている、または光り輝かそうという強い意志があるから未来を信じられるといえるのかもしれない。
 更にそんな「闇」に包まれた現実にあって、それを「突き抜ける」意思を示す、「GOIN' GO MY WAY 今その瞬間に GETTING' GET MY SELF 懸けてみる DOIN' DO MY BEST 閉ざされた扉 解き放つのよ」「BREAKIN' BREAKE THE WORLD まだ見ぬ恋にFIGHTIN' FIGHT MY DAYS 傷ついても SETTIN' SET MY SOUL この涙をすべてチカラに変えて」の部分は文句為しにカッコイイ!曲・歌詞ともにである!
 特に「この涙をすべてチカラに変えて」と自分に言い聞かせればこの世に怖いものがなくなったような境地になる。
 なおかつそれに続く「愛の為に夢見る為に 私は今を走り続ける」「愛があれば 夢さえあれば 私は何度でも立ちあがる」は失敗してもまたやれる、という気持ちを強くしてくれる。
 まだまだ人生において辛酸を舐めて来たというには相応しいキャリアを積んだとは言い難いが、それでもこの歌詞に打ちのめされた気持ちを救われたことは度々ある。
 この歌の歌詞は一言一句が生きているといっても過言ではない。それに呼応する様にファン同士でも「この闇をつき抜けよう」と声を掛け合っている。後はファンとしてそれに恥じぬ生き方を貫くのみである。

摩季の間へ戻る