後遺症

作詞 大黒摩季 作曲 大黒摩季 編曲 KEIICHI OKABE
解説 「後遺症」………はっきり言ってこの単語にいいイメージを持つ人は皆無に近いのではあるまいか?大黒摩季さんのアルバム『HAPPINESS』の7曲目に収録されるこの曲は凡そラッキーセブンとは程遠いイメージである。
 「後遺症」とは病気や怪我の治癒後に障害や不具合として身体に残された悪しき症状の事だが、実際に病気や怪我が残す「後遺症」はそのしつこさもあって嫌な物があるどころか、嫌な物その物である。では何故にそんな嫌な物が始まって間もな恋を背景にするこの歌のタイトルとなるのか?そこにミソがある。
 「出会ったばかり 何も知らない」「なんか恥ずかしい ハジメテのお泊り」といった歌詞からも前述の様に主人公は恋の始まりにいる。そして「普通のことを喜べるのは ピュアなんじゃない 飢えてただけ」「少し下がって言葉少なに会釈するのも 自分のコトをあまり話さないクセも 奥ゆかしいじゃない 品も良くはない 深く染みついた後遺症・・・」といった、すれていると言いたくなるような歌詞からも「後遺症」とはトラウマである事が明白である。物事の始まりに希望と不安があるのは世の常だが、不安が希望に先んじて脳裏に浮かび上がる辛さはダンエモンにもよく分かる(苦笑)。
 道場主も過去に惨めな失恋を経験している(勿論失恋そのものが惨めだが…)。そしてその時に一番苦しんだのはその様な眼に遭った事に対する根本的な解決を図れなかったために、次の恋においてまた同じ眼に遭う可能性を否定できない、言い換えればそんな不安が浮上する事から逃れられない苦悩に随分悩み、実際に次の恋はかなり及び腰に始まった。はっきり言って振られた事そのもの以上に辛かった。まあ、その割には次の恋が始まるのは随分早かったのだが……ゲボッ!!(←道場主のトップロープからのフィスト・ドロップが炸裂しました)。
 本題に戻って(苦笑)、そんな「後遺症」にも言い換え可能なトラウマの辛さが判るからこそ、ダンエモンは「今まで捻れた恋に染まってばかりいたから どれが本当の自分かわからない 無邪気な君に心洗われて 消えて無くなれっ!!後遺症っ!!」の歌詞に心から拍手と声援を送りたい。共感すると言ってもいいだろう。
 そして祈る様に、期待する様に、呼びかける様に歌われる「素直な君でいてね PUREなコだと信じててね いつの日か追いつくから それまではBABY PLEASE 純粋な君でいてね 目の前の私を見ててね 噂なんて気にしないで 目をそらさないで BABY PLEASE」「まっすぐな君でいてね 「大人って楽!☆」って笑ってね ちゃんとそうなれる日まで 冷めないでBABY PLEASE 前向きな君でいてね ガード固いわけじゃないの すべてになってしまうのが 不安で怖いの・・・ PLEASE BABY」「そのままの君でいてね 「俺がいなきゃ・・・」って思っていて "頼り方"思い出すまで 揺れないでBABY PLEASE 明るい君でいてね 細かいこと気にしないで 楽しい未来だけを 膨らませて」と言った歌詞を聞くにつけ、男として人間として恋人の過去の恋への不安を払拭して上げられるような存在でありたいと思うし、自らがそんな「後遺症」に囚われていてもいけないと思うのである。
 改めて叫ぼう俺の心からも「消えて無くなれっ!!後遺症っ!!」(笑)。

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