Let’s ☆ Go!! Girls💋

作詞 大黒摩季 作曲 大黒摩季 編曲 Yohey

解説 摩季ネェの15thアルバム『PHOENIX』の1番目に収録されている。タイトル通り、女性達に立ち上がることを呼び掛けた曲であり、「ROCKs」を初め、かかる内容の曲を聴く度、男に生まれて来たことを一瞬損した気分になる(苦笑)。

 ともあれ、女子力をテーマにしたこの歌、異性である男の立場ながら、「魅力」というものについて考えさせられる。主人公が(恐らくは不特定多数と思われる)「Girls」「Hi☆女子達 目覚める時が来たわ」と呼び掛けていることからも、「Girls」は鳴かず飛ばずの状態にあるのだろう。と云うか、現時点での成功者なら呼び掛ける必要もないか(苦笑)。

 立ち上がる一つの要素として、「「綺麗☆」になれ」という呼び掛けがあるが、この「綺麗☆」には様々な形がある。
 一番分かり易いものとして、容姿がある訳だが、男女に限らずただ街中を歩くだけですれ違う人々が目を見張って振り返る程の美しさがあれば多くの場合何の苦労も要らないだろうし、それ程の美貌に恵まれた者は稀有である。
 それ故、人は外見に対しては化粧・衣装・髪型・アクセサリー等を、内面に対しては長所となり得る個性を磨き、行動・言動・立ち居振る舞いを日々考察し、時に苦悩するのだろう。

 実際、この歌にも様々な要素やそれに伴うヒントが散見される。
 まず基となるのはやはり熱意だろう。歌詞中にも「きっかけはSo大きさじゃない 衝動 熱を盛って 過去笑って 覚醒しちゃえば 無敵」とある様に、まずやる気がないと何も生まれない。その点、うちの道場主は誰かに惚れるまでモテる為の努力を一切しない。普段から、「惚れた相手一人が俺を好きになってくれればいい。モテる必要ななど無い。」という考えで、その相手に気に入られる為の努力も「その相手だけでいい。」という考えなので、そりゃあ、世の「如何にしてモテるか?」と考え、努力している男性に比べて、世間一般の目に魅力的に映りはしないだろう。

 まあ、道場主の特殊な例は置いておくとして、それでもダンエモン的に魅力ある人間になる為のヒントとしていくつかの歌詞に注目している。
 例えば、「Hey!Sisterねぇ 控え目とか奥ゆかしさって つかみは良くても 潰しがきかないレトロなアクセサリー 女を生き抜くには @にフィジカル Aにスマイル☹ 器量がなくても技量があれば愛は守り抜ける」である。

 「フィジカル」も、「スマイル」も魅力を為す要素だが、めちゃくちゃ魅力をアップさせるものでもない。人間が極自然に持っているものなのだから。しかし、続く歌詞に「器量がなくても技量があれば愛は守り抜ける」とあるのには唸らされた。
 「人間は見た目じゃない。」というのは良く云われる言葉だが、勿論見た目も云いに越したことはなく、「フィジカル」「スマイル」は見た目をアップさせる重要な要因である。そしてそれらは努力や心の持ちようで更に綺麗になる。つまり「技量」が加わることで「器量」は更に輝きを増すことだろう。
 実際、同じ容姿でも成功前と成功後では魅力に差が出るのは誰にでも該当する。

 個人的に注目するのは、「「カワイイ♥」って言われたくて 誰かを目指せばやっぱNo.2 自分にしかない武器極めればNo.1 It’s Only One」の歌詞である。
 魅力ある人物や成功者になりたくて憧れる・尊敬する誰かを見習い、模倣するのは有効な手段である。ただ、それだけではその追いかける誰かを超えられないのも事実である。そこに自分だけにしか為せない何かが加われば、相手を超え、自分が1になれることをこの歌詞は教えてくれている。
 別の歌詞に「ガーベラは薔薇にはなれない でも 薔薇はあんなに 明るく笑えない」とあるが、この歌詞は人の在り様が容姿を超えることと、個性の発揮が如何に大切であるかを教えてくれている。

 ただ、努力を重ねることは容易ではない。成果が見えないと諦めそうになるし、終わりが見えない努力は才能溢れる人物であっても苦しいものである。その点、この曲の主人公はその辛さから目を逸らさず、それを受け入れた上で。「Girls」を励ましている。それを端的に表した歌詞が「Dear My Girls 苦しかったね 痛かったね 偉かったね 私たちにしか見えないリアルは 時に残酷だけど 虹の様にカラフルな感情のコラージュをきっと 感動というんだと思う それをまとった人が魅力という魔法が使えるから」であろう。

 そしてただ励ますだけでなく、直後にて「Oh My Little Girl 思うまま生きよう その心は 私が 守るから」と云って、運命を共にする覚悟を示している。この「守る」という概念は「ROCK YOU,ROCK ME」や、同じアルバム収録曲で同名の「PHOENIX」を彷彿とさせる。

 締め括りの「流してきた その涙 一途な汗は 女のプリズムLet’s ☆ GO!! Girls💋? また 何度でも咲いて Let’s ☆ GO!! Girls💋 眩い「華」になれ」を見るにつけ、この曲が嬉しい程の摩季ソングであることが改めて思い起こされた。
 「何のために生まれてきたなんて 決まってるじゃない 愛され愛するため この身体も心もあるのよ使わなきゃ損」とあるのも、改めてその通りだと思わされる。少なくともダンエモンは人生における「愛され愛する」を充分に堪能したとは云えない(苦笑)。
 「Girls」ではないが、この歌の呼びかけに便乗してみたいとは思う。

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令和六(2024)年五月二三日 最終更新