Lonely Child

         作詞 大黒摩季 作曲 大黒摩季 編曲 OHGIYA KENTO & 大黒摩季
解説 タイトルを直訳すると「寂しい子供」である(←わざわざ解説するほどのことか)。アルバム『PRESENTs』の8曲目である。背景的に近い曲を探せば「求める未来が変わった」だろうか。
 摩季ソングに多い何とも切ない曲である。「『きっと君は平気さ僕がいなくても 夢があるから』 『ひとりじゃいられない 他になにもないあのコのそばに…』」―世にこれほど残酷な言葉があるだろうか?余程強さをプライドに生きてる女性でない限りそんなこと言われた日にゃ「いい女演じて…」ならぬ弱い女を演じることだろう。
 感想が先走ったが、この曲は別れの曲であり、思い人は「『きっと君は平気さ僕がいなくても 夢があるから』」と言い残して「『ひとりじゃいられない 他になにもないあのコのそばに…』」に走ってしまう。それに対し主人公は愛する人を失いたくない一心で弱い女を演じたいのだろうが、結局は思い人の慧眼通り強い女である彼女はそれが思い人を失わせたことを疎んじ、「あなた無しでも生きて行ける わたしが哀しい」としている。主人公は強烈なジレンマを感じているだろう。
 少し話が逸れるが、ダンエモンはこの歌の主人公のような女をものにしたい、と思うことがある、歌い手が大黒摩季だからと言うわけじゃなくて。その根拠となる歌詞は二つ、「ひび割れた心抑えて おどけてたあなたが まるで自分を見てるようで 癒してあげたくて 何もかも包み込む翼が欲しくて 強くなる と誓った」「捨てられても待ち続ける 野良猫のように ひとにぎりの愛を渉る」である。前者にはこんな状況にあっても愛する人のことを第一に想う直向きさが最高である。後者はそれでも自分を捨てた相手を責めることなく自分の元に帰り日を待ち続ける姿勢、そしてそこに普通は主人を待つことなど考えられない「野良猫」に我が身をなぞらえるところも見逃せない。
 ダンエモンは主人公に呼びかけたい、「自らの強さや「あなた無しでも生きて行ける わたし」を悔やむな、誇れ!その強さがきっとあなたの元に愛する人を呼ぶだろう!そして…もし…もし…帰ってこなければ俺が愛してやる!」と。惚れましたね私はこの主人公に。
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