Lonely Child〜New Vocall!!"Strip Down"ver.〜

作詞 大黒摩季 作曲 大黒摩季 編曲 建部聡志
解説  大黒摩季さんのファーストバラードアルバム『weep maki ohgro The Best Ballads Collection』の11曲目に収録された摩季ソングのアレンジの一つ。同アルバム収録のアレンジバラードの中では唯一、原曲がシングルに収録されておらず、アルバム『PRESENTs』にのみ収録されている。
 他のアレンジバラードに比べれば代表的摩季ソングと言うには無理があるが、それだけにここぞと言う所で再登場した趣に注目される。

 原曲からしてバラード然としてる為、タイトルにてバージョン名に「New Vocall」と銘打たれ、脱ぎ捨てる事を意味する「"Strip Down"」 という単語を伴なって核心のリニューアルが強調されているのだろうか?
 裸の心にこだわる摩季さんらしい選題ではあるが、断言し切れないだけにダンエモンはファンとしてまだまだである。

 注目される歌詞は「もう言わないで・・・」「叶わない愛を嘔う」という弱音や自嘲を見せるネガティブな歌詞である。
本来摩季ソングにあってはネガティブな歌詞よりそれを乗り越えんとする歌詞を注目したい所で、ダンエモンも原曲を聴いた時は「ひび割れた心抑えて おどけてたあなたが まるで自分を見てるようで 癒してあげたくて 何もかも包み込む翼が欲しくて 強くなる と誓った」「捨てられても待ち続ける 野良猫のように ひとにぎりの愛を渉る」といった傷付いた果ての決意に注目した。
だが、バラード調で聞くと、摩季ソングのコアである裸の心から「Lonely Child」にされた自らの境遇とそこにぶつけたい心の叫びに注目したいのである。

人間誰だってネガティブな諫嬢で生きていたくなどないし、無縁でいられないにしても直視したくないのも確かだ。
だが逃れられない苦しみを乗り越え、新たな一歩の為に現状を見つめ直す肝要さを考察するならこの曲の主人公が自らを擬えた「I'm A Child In The Sound」「I'm A Cloud In The Sky」の歌詞が「野良猫」以上のリアリティと重みを持つだろう。

もっとも苦しみから逃れる事を諦めてネガティブさに麻痺する為に自らを「Lonely Child」と言い聞かせるような後ろ向きな自嘲は御免を蒙りたい所ではあるが。

 

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