Love

         作詞 椎名恵 作曲 羽場仁志 編曲 見良津健雄
解説 椎名恵さんの13thアルバム『GAMBARE』の3曲目に収録。例えて言うなら愛への信頼を確かめる歌である。弱さを曝け出している様で、その実強い意志に溢れている所が心地いい。
 興味深いのは「少年の頃はどんなだった? 泣いた事、楽しみだった事 こうしてめぐり逢うまでを いつか聞かせて欲しい」の歌詞。主人公は「その手につかまっていれば 何処へも行ける気がする」の歌詞で、「この男性」に依存する気持ちを強く示しつつ、今現在の強さではなく、過去を問うことで強くなったプロセスに接触を求めている所に注目したい。
 「小さな輝き」「未熟」でも「明日を信じられる愛」になり得るのはただの直感ではなく辛い目にあっても強い信念を持つことで「冷たい雨が降る夜は 寄りそい朝陽を待」つが如き自然な強さを持ち得ればこそであることが歌詞全体からうかがえる。
 強さを歌った椎名ソングはとても多い。そしてそれらの全部がほぼ例外なく力で誰かに勝る強さではなく、屈しない、折れない、諦めない心によるものなのだが、それらの中にあってもこの歌はその揺るぎ無さにおいて群を抜いている。聞き手をしてそれを確信させる歌詞が「あきらめたり つまずいても つないだ手の中の愛を信じよう」であると思うのはダンエモンだけだろうか?
 既に何度書いた決まり台詞か数え切れないが、声を大にして言いたい。秀逸である。
 

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