解説 椎名恵さんが参加したオムニバスCDアルバム『富良野〜チャペルコンサート 〜/V.A』に収録されている。同アルバムの他の参加者は三浦和人、chiemi、石井聖子、崎谷健次郎、岡崎倫典、HAIKARA、沢田聖子、鈴木聖美、かぐやひも(←かぐや姫ではない)の諸氏がいる。
他の参加者の内、2000年5月に横浜でダンエモンが参加した椎名さんのジョイントライブでパートナーを務めていた元雅夢の三浦氏は生で見た事があり、石井聖子さんは岡本真夜さんから楽曲提供を受けているシンガーという意味において関心があるが、その他の方々は全くといっていいほど知らない(苦笑)。
チャペルコンサートに、そして「Love's Blossom」のタイトルに相応しく、生涯の伴侶を得て女性として最高の華を咲かせようとする主人公の姿が視覚的にも心情的にも誠に美しく、心地良い。
特に締めにも使われている「私の愛は今つぼみから花に変わるの」の歌詞は意志の強さと誇らしげな姿と幸せに満ちた喜びを兼ね備えた秀逸なものとなっている。
別の視点で見てみると、椎名ソングらしさの表れた歌詞として「やっと本当の喜びを知った それは強さといたわる気持ち 教えてくれたの」があげられる。
根拠なき憶測なのだが、主人公は幾つかの恋を経験したのではないだろうか?だが最終的に結婚に至る相手は一人である(通常は)。つまり選ばれる一人には選ばれないその他大勢にはない何かがあると考えられる。
ではそれは何か?端的に言えばそれは春の柔らかな「陽ざしのような」安らぎではないだろうか?主人公の「陽ざしのようなあなたの胸であたためられて」、「あぁ、迷子のように ふるえてた この心 見つけてくれたから」、「あなたの胸でまどろみながら」といった歌詞に表れているようにダンエモンには思われる。
結婚という命題を考えたとき、喜怒哀楽、生老病死を共にする夫婦生活に合って、幾ら刺激が強くても逆に安らぎがないと家庭はいつか牢獄となる。側にいてホッとする人、が恋人に選ばれるのはよくあることだが、この曲の主人公はその論の究極を極めたからこそ、派手さはなくともほのかに温かく、「強さといたわる気持ち」に裏打ちされた「本当の喜び」をもたらす「愛」は「花」となるのだろう。目に見えずともさぞかし綺麗な「花」が「Blossom」=咲いていることだろう。
恵の間へ戻る 平成二二(2010)年四月一七日 最終更新