魔法のリングにKissをして

         作詞 岡本真夜 作曲 岡本真夜 編曲 森俊之
解説 同名の5thアルバム『魔法のリングにKissをして』のトリである、11曲目に収録。また同アルバムの1曲目は「魔法のリングにKissをして〜Prologue〜」である。またとあるCMのBGMに使われていたが不覚にも覚えていない。
 さて解説の前に恥ずかしい質問があります。この曲のタイトルを見て、実際に聴くまでタイトルにある「リング」をプロレスやボクシングのリングを想像していたのは私だけでしょうか?指輪の事だったのね…(苦笑)。
 歌詞の解説を行うと、一言で言えば「宣誓」の曲といえるだろうか?歌詞内容から「私」「あなた」は相思相愛の恋人同士と見て間違いないだろう。付き合ってからの長さや日常の苦労の詳細は不明だが、多忙な中でもそれなりの苦労があるのだろう。そこに「もし 私の翼が 傷ついても 立ち止まらない 私は 歌い続ける」「もし あなたの翼が 傷ついたら 包んであげる やさしく 歌ってあげたい」という風に自らは強く、そして愛する人を守りたい、との意志の溢れた宣誓になっている。
 が一方で「空 高く 見上げよう 不安や寂しさ 消えるように 愛や夢や 二人のこと 信じ続ける強さが欲しい」という風にどこかしら他力本願的なものも見られ、「好きな歌を 口ずさむよ あなたの胸に届くように 二人のために 明日のために 私が私であるために」と不安をを吹き飛ばす為にそれこそ宣誓の如く歌い続けたい気持ちも現れている。これはある意味岡本真夜自身の今後への決意の現れでもあるのだろう。同名のライブで彼女自身、「歌なしでは生きて行けない」と述懐していたのを覚えている。
 個人的に好きな歌詞は「好きな歌を 口ずさむよ あなたの胸に届くよう ニ人 のために 明日のために 私が私であるために」である。人間は様々な意味において一人では生きていけないそして社会なり集団の中で生きていくには己を殺さなければならないこともしばしばである。勿論余程強烈なマインドコントロール下にでもない限り、人間は誰しも心は自分の物である。もちろん個を貫くには社会的責任・義務が伴うゆえの事だが、それでもなにがしか五感で感じられる確固たる自己が欲しい、そのための拠り所が欲しいのは万人に共通する理念だろう。そういう個人として確固たる自己を築かんとする意志の現れるこの曲はダンエモンにとって真夜ソングの中にあっても最高曲の一つとするのに充分なものがある。
 最後にライブでのアレンジを紹介したい。「1999魔法のリングにKissをしてツアー」でトリとなったこの曲(厳密にはその後に「サヨナラ」「ANNIVERSARRY」がアンコールである)では歌詞カードには書かれていないラストの歌詞「La la la la la la la la la la la la la la la la la la la la la la Let's sing the song」が何度も繰り返され、最後の「Let's sing the song」の直前の「la」が思いっきり延ばされ、ラストを静かに盛り上げていた。そしてツアーのクライマックスである東京国際フォーラムではこのラストと同時に十人ほどの踊り子(推定小学生ぐらいの年齢)が舞台に現れ盛り上げに一役買っていた(当時は真夜さんの近くにいる彼らに嫉妬していたが)。
 

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