作詞 大黒摩季 作曲 大黒摩季 編曲 西平彰
解説 アルバム『POSITIVE SPIRAL』の初回特典DVDに同アルバムの14曲目として収録。
いの一番に述べたいのは、歌詞にもあるように、「ロコガールのGirlas ケリー、キャンディー、カーリー ハワイアンGreat Guysのケビン&アンドリュー 日系人のハーブとランス 日本人のMaki」というメンバー構成で「星空の下でみんな集まったスタジオ」として「パールハーバー」(=真珠湾)を選び、「信じあって 歴史を越え この曲は生まれた」ということである。
「セルフライナーノーツインタビュー」によるとデビュー15周年を迎えた摩季さんが何か一つ自分を超えたい、との気持ちから1週間というハワイでの限られた時間で作られたものとのことで、摩季さんにとって記念すべき時に、国境と歴史を超えて、敢えて日本と世界の不幸の発端となった「パールハーバー」が人種・国籍の異なる者同士が集まって友好の第一歩を踏み出す様は、現国籍が日本でも根っからの日本人ではないダンエモンにとっても興味深い。
歌詞の内容は抽象的な一言で言うなら「どんな夢叶えたい?」であろう。
希望を持たない人間なんていないのだが、それでも時の流れや現実との衝突の中で幼き日に何の疑問もなく抱いた夢を徐々に放棄するのは多くの人間が涙と共に流してしまう。「昔憧れた パイロットやロックスター 出来る出来ないとかお金のことや ネガティブなことは気にせずに Everything is all right, Everything is all right 神様が一つだけ叶えてくれるならどうしたい?」の歌詞は特にそれを表しているだろう。
だが、摩季ソングを聴き続けて11年を経て、ダンエモンは人間が抱く「夢」とはそんなやわな物じゃないと確信している。
以前別の曲の解説でも触れたが、どんな詐欺の天才でも自分を騙すことは出来ない(自分に騙された振りをする奴はごまんといるが)。夢も希望も捨てたようにふるまったり、無視したりしているようでも、結局のところそれ等は自分の胸の内から出ていくことはないのである。100%実現不可能なことだとしても。それを端的に表す歌詞は「切ない運命や世の中に痛んで 心が疲れてたね ただそれだけで 無くしたわけじゃない 微笑んで Everybody smile again,Anybody smile agein 一緒に歌って一つになればきっと動き出すよ」だろう。特に「again」の歌詞に注目して欲しい。最初は誰しもが「smile」していたのである。まさしく人間が希望を持って生きる原点であり、同時にダンエモンがこの曲で最も好きな歌詞でもある。
その点を意識して歌詞を追うと、「Make a wish 自由を呼び戻して」や「Make a wish “願うこと”から始めよう」や「Make a wish 自分を愛してあげようよ」の歌詞に根底にある、結局は自分自身の意識の持ちようであることと、自分を大切にすることの意義を改めて痛感させられる。
「勝手気まま」ではない「自由」と本当の「自分」と向き合う点において、曲調も歌詞も全く異なるのに根底で「ROCKs」を彷彿とさせる曲である。
ここで一つ考察したい歌詞が「Mai hopo hopo no oe」である。当初は、「多分スペイン語。」と思っていたが、後に菜根道場BBSに「通りすがり」と称する方が書き込んでくれたおかげで、ハワイの言葉であることがわかった。
言われてみれば舞台がハワイなので、ハワイの言葉であるのは当然とも言えるが、知らないと本当に分らないものである(苦笑)。
映像で示された意訳に「力を抜いて」、「自然に身をまかせて」、「ありのまま そのまま」、と3つあったが、恐らく直訳は最後の「ありのまま そのまま」と思う。万一間違っていたとしてもこの曲の趣旨に最も添うのがそれであることは確信できる。
根本に「たった一度の人生さ 思いっきり 生きたいね」という思いがあって、「Make A Wish」が成立する。どんな達成も、夢を見ることに端を発していることを忘れたくない物である。
余談 「Mai hopo hopo no oe」の歌詞が画面に出る時、背景は虹の七色である。摩季さんの、苦難を乗り越えて実現させる夢を虹に例えた歌に「虹ヲコエテ」があるが、この映像に出て来た七色もその象徴だろうか?
追記 上述したように、最初は歌詞の内容について知らない部分がありましたが、BBSに書き込み頂いた方の好意で修正することが出来ました。
この場を借りて厚く御礼申し上げます。
摩季の間へ戻る 平成二一(2009)年二月二三日 最終更新