クリスマスライブ

正式タイトル　Mayo Okamoto 15th ANNIVERSARY X’mas LIVE

日時 2010年12月20日(月)17：30開演
場所大阪市浪速区
なんばHatch
背景　真夜ライブでなんばHatchにやって来たのはこれが4度目で、クリスマスライブとして参加するのはこれが初めてだったりする。何度か記述したが、なんばHatchでは入場時にワンドリンク代500円を支払うのだが、勿論ドリンクはアルコールを選ぶ（定番はハイネケンビール）。

　記述して意外に思うのだが、大黒摩季さんも、椎名恵さんもクリスマスライブに参加したことあるのだが、真夜さんはこれが最初だった。まあ仏教徒のダンエモンにクリスマスの記憶は余り色濃く残らないからだろう（苦笑）。

　今年5月から、15周年記念、イオンモールフリーライブ、アコースティックライブ、と何かにつけてデビュー15周年が謳われて来たが、それを締め括る様に行われた（15周年記念自体はよく年初頭までタイトルに謳われたが）。真夜ライブ並びに大阪でのライブ参加はこのなんばHatchが一番数多く参加しているが、真夜さん以外のアーティストを含めても「2010年最後に参加するライブ」との意識から、様々な事があり過ぎた2010年が厳かに締めくくられて欲しい気分で臨んだライブだった。

１．Christmas Love　～kantate 147 version～
簡易感想　実にクリスマスそのものの選曲であり、同時に2007年リリースのアルバム『Soul Love』に収録の「White Christmas」より『Crystal SceneryⅢ』・『My Favorites』収録のこの曲、「Christmas Love～kantate 147 version～」が歌われたのも、時の流れが為す変化だろうけれど、「White Christmas」を2007Soul Loveツアーで(3月だったこともあって)聴けていないので、いつかはそちらも生で聴きたいものである。

　ともあれ、｢ding-dong｣というクリスマスの鐘の音を連想させる前奏を受けて現れた真夜さんは、白一色でかなりフリルの大きな上衣を纏い、黒ズボンとのコンストラクションも印象的だったが、特に印象的だったのは　長いネックレスだった。勿論この一興の為だけの衣装ではないだろうけれど、如何にもホワイトクリスマスである。
　まあ、「White Christmas」はどちらかというと大人し目の曲調なので、待ちに待ったライブが始まる気持ちの高鳴りで言えば、「プレゼントを抱えて」の歌詞で始まり、愛しい人に会う時を目前にした、約束の場所へ一歩一歩近づく臨場感を思えば、こちらの方が先発には相応しいのも良く分かる。

　ともあれ、かくして「Happy Happy special day」は幕を開けたのだった。

２．宝物
簡易感想　前述の「Christmas Love～kantate 147 version～」では舞台に立ったのは真夜さん一人だったが、この「宝物」からバンドメンバー（ギター・知野芳彦氏、ピアノ・櫻井大介氏、バス・山田裕之氏、ドラムス・松本直樹氏、チェロ・五十嵐あさか氏）も壇上に現れて参加し始めた。

　男女が愛を語らうクリスマス・イブを「HAPPY　DAY」とするカップルは少なくないだろうけれど、だからこそ「明日は　きっとHAPPY　DAY　今日より　もっと　HAPPY　DAY」と宣言するように歌われる様がまた心地良かった。トップバッターではなく2番手だったが、この曲をトップバッターとして始まった1999魔法のリングにKISSをしてツアーを思い出さずにはいられなかった。また真夜さんがサックス・“ヌタ吉君”吹きながらやってくれないかな？この「宝物」を。

３．Life
簡易感想　ライブの度に秘かに楽しみしているこの「Life」だが、まさかこんなに早く出てくるとは思わなかった。イオンモールフリーライブでも3曲目だったが、あの時は曲数自体が少なかったから、過去のライブでもどちらかと言えば後半以降に登場したことを思えば、ちょっと勿体無い気がした（贅沢な意見かな？）。

　同時に、ここまでこの曲を好きになっている自分にも驚かされている。相変わらず「たとえ今が　くじけそうでも　奇跡は起こる　きっと　勇気ひとつで変われる」の歌詞に励まされる自分に、気は早いが今年一年の成長の無さを感じないでもないが、「奇跡」は頼るものではなく、「勇気ひとつで変われる」ことによって「起こ」すものであることは忘れていないつもりである。
　ともあれ、そう思い直せるのもまた来年への「勇気」であろう。

４．横顔
簡易感想　最新アルバム『Close To You』収録曲で、ライブで聴いたのはこれが初めてである。冒頭の「恋しくて　恋しくて」歌詞が、どこか遥か遠くから聞こえてくるような響きで始まるのが印象的な一曲で、歌詞を一読した限りではクリスマスと関係する所は見られないが、クリスマスデートを契機として「“友達”」や「“片思い”」の垣根を越える人も世の中には多いことだろう。その意味ではこの選曲にも頷けるものがある。

　ライブ会場では角度によってはまさしく敬愛するアーティストの「横顔」を見ている時間の方が長いこともあるが、なーに、限られた時間、例え「横顔」のみだったとしても、その時間思う存分、堪能し、「恋する」までである（笑）。

５．Close To You～ひとりじゃないよ～
簡易感想　前述の「横顔」を皮切りに、最新アルバム『Close To You』収録曲が続く。前月に参加しているアコースティックライブの時点では歌詞を知らない状態で拝聴したが、さすがに今回は事前に歌詞を何度も確認したうえで参加している（笑）。
　ゆえにカーペンターズの同名の名曲のイメージに引きずられることなく、友達想いの真夜さんらしさを前回以上に堪能させて頂いた。

　特に印象に残った歌詞は「恋人でも家族でもないけど　大切な存在で　同じ時間を駆け抜けてきた　かけがえのない仲間」である。
　クリスマスというステージを意識してか、30ン年生きて、アラフォーを迎え、幼き日、小学生、中学生、高校生、大学生、社会人と立場や交流が変わる中、クリスマスとの接し方も随分変わった。まあ道場主の場合、人生の大半を独り者で過ごしているから、クリスマスの記憶は空白が大半を占め……ぎゃあああああああああぁぁぁぁぁああああ（←道場主のクリップラー・クロスフェイスを喰らっている）。
　イテテテテ…まあ何が言いたいかというと、「恋人でも家族でもないけど　大切な存在」って、普段はさほど意識しておらず、何かをきっかけにその重要性に気付くことが多く、「まさかの時の友が真の友」という言葉がある様に、有り難い筈の存在に苦境に陥らないと気付かないのも皮肉な話で、クリスマスを初めとする、レクリエーションの場とはそういう大切な交流を再認識するためにも大切ではないかと、思い知らされた訳である。
　そう思うと、世の中には義務感やしがらみや社会的地位保持の為に楽しい筈の場で気を使いまくらざるを得ない、そんな見せかけのレクリエーションが何と多いことか…。

６．星の夜も　雨の朝も
簡易感想　アルバム『Close To You』収録曲が続く。
　楽しいクリスマスを意識するには些か寂しげな選曲に見えるが、辛い日常を一日一夜脱却する時と場に「時計は見ないで　呟く心　泣かないように　夜空を見上げた」や「幸せになれるなら　あなたとがいい　揺るぎない想い　叶えられる日を夢見て」といった歌詞が、一瞬にかける想いの強さに裏打ちされていて、なるほどの選曲であると唸らされたものである。

　ちなみに真夜さんの説明によると、この曲は高校時代の同級生のエピソードがヒントになっているとのことで、13、4年前には既に出来ていたとのことだが、そのお友達にはいまだ無許可とのことらしい。
　まあ、個人情報が入っている訳じゃないから、トラブルにはならんと思うが…。

７．My best friend
簡易感想　アルバム『Close To You』収録曲は更に続く。前月のアコースティックライブでも聴いているのでこれが二度目だが、この「My best friend」といい、先の「Close To You　～ひとりじゃないよ～」といい、友情に対する真夜さんの想いの強さには頭が下がる。少年の頃、「友達同士で同じ相手を好きになった為に友情があっさり壊れた」という経験を持つ少女から「女同士で友情なんて存在し得ない…。」と主張していたのと思い切り対称的で、一個人のケースを平均と思いかけていた若き日の自分の視野の狭さを恥じ入るばかりである。

　やはり核となるのは「君の笑う顔　君の幸せを　心から願ってる」だろう。ダンエモンは自分が嫉妬深い人間だから、その感情ゆえに人の道を踏み誤ることが無いように、羨ましがったり、焼いたりしつつも、自分が到達できない幸福を掴んでいる人（例：道場主が大学受験に失敗して浪人確定時に合格したクラスメート、道場主の初恋の人と結婚した先輩、道場主より後から入社して先に出世した後輩等）に対して、自分の感情は感情として、それとは別途に相手を祝福する姿勢を大切にして生きようと心掛けているが、やはり時として無理矢理祝福している自分に気付くことがある。
　だからこそ、「君の笑う顔　君の幸せを　心から願」える友こそ、真の友にして、「My best friend」なのだろう。そうなると世の人々は「My best friend」がいる！と断言出来る人はどれぐらいいるのだろうか？

　ちなみにこの曲は、真夜さんから静岡（浜松）出身のシンガーソングライターであるTialaさんに「親友への感謝」として楽曲提供されたものであることが紹介されていた。

８．カサブタ
簡易感想　うーむ…何度も同じことを書いて恐縮だが、やはり「カサブタ」という単語はいまだに聞いた瞬間に噴いてしまう……（詳細は同局の解説か、2010年11月ライブレポ参照）。
　前月のライブでは歌詞を知らない状態で聴き、「悲しみなんてきっと　通り雨ね」の歌詞が強く印象に残っていたが、歌詞の全体像を掴んだ後では「通り雨」に耐える中にも、その涙、その苦しみに気付いて欲しい本当の気持ちとが交錯している様を「カサブタで塞いでく」という比喩が見事という他はなく、人間心理の複雑さを考えさせられる。

　真夜さん曰く、アルバム『Close To You』収録曲の中でも「個人的に最も想い入れが強い曲」とのことで、歌詞中の意地を張ってしまう主人公の姿は正しく自分自身とのことである。
　尚、真夜さんのライブスタッフの一人である女性は、これとは正反対に、大丈夫じゃない時に「大丈夫って言ってしまう」ことが無いらしい。理屈で考えればそうした方が楽で解決が早いのはだれしもが認める所でありながら、なかなかできないのが不可思議であり、歯痒くもある。
　それでも同じ気持ち、同じ悩みが自分一人じゃないことをした時、「大丈夫って言ってしまう」ことから解放される人もきっと増えていくことだろう。真夜さん自身を含めて。そういう意味でも今後も、何度でも、歌われて欲しい一曲である。

９．この星空の彼方
簡易感想　ここからアルバム『Close To You』収録曲からシングル曲が主体にスイッチされる。　決して明るい曲ではないこの曲が現在すっかりライブの定番を為していることに改めて驚かされたものである。

　今回もこの曲が作成された経緯（二人のファンから受け取った手紙の話）が語られた。さすがに何度も記載しているので、詳細は書かないが、友人・ファンを大切にする真夜さんの想いに改めて頭が下がった次第である。

　歌詞では亡き彼氏は「最後の夜病室で　お花見に行こう」と言っていた訳だが、お花見と言わず、海水浴に、紅葉狩りに、クリスマスにと生き続けて欲しかったんだろうなあ……と当たり前のことを脳内に思い描いていたのも、ライブの趣旨と歌詞の趣旨が為した業だったのだろうか？

　決して、聴いていて愉快な気分になる曲じゃないし、レパートリーに含まれないなら含まれないでもライブは成立するのだが、真夜さんらしさを語るのに欠かせない曲として次回の登場を心待ちにする次第である。

１０．真夏の世の夢
簡易感想　何とまあ……この曲を真夜ライブで聴くことになろうとは……。しかも真冬に（笑）。
　他の歌手の例で恐縮だが、ダンエモンは大黒摩季さんがライブでこの曲を歌ったのを聞いたことがある。その経験もあって驚いたのだが、ある意味、真夜さんや摩季さん以上の大ベテランであるユーミンこと松任谷由実さんの膨大な曲の中でなぜこの曲が？と思ったものである。

　勿論その理由は2009年に稲垣潤一氏がカバーした際に真夜さんがデュエットに参加した縁であることは分かるのだが、このライブに参加した時点ではそれを知らず、「春よ、来い」や「Hello, my friend」や「守ってあげたい」の方が似合いそうだ、と思ったのである。

　いずれにしても真夜さんが「最後はもっと　抱いて抱いて　息も出来ぬほど」と歌っているのを聞くと、「dancing of moonlight」以来の真夜さんらしからぬ官能演出を見た気分だったが、デビュー当時の真夜さんだったら、絶対こういう歌は歌えなかったか、歌っても様にならなかった気がする（←失礼！）。
　勿論、イメージギャップを堪能できるのは楽しみの一つではあるので、次回のイメージギャップはワイルドな真夜さんでも期待しようか？（笑）
　あ、そう言えば、真夜さんの名前と並べれば、「真夏の夜の夢」だから、選曲はこれでいいと言えるよな（笑）。

１１．サヨナラ
簡易感想　間違いなく真夜ソングを代表する一曲でありながら昨今、ライブで聴くことが少ないのがいささかさびしい気がするものである。前に聴いたのは2年前の2008～2009seasonsツアーで同じ会場で聴いて以来である。

　何もかもを振り切って別れを決意した歌詞でありながら、「後悔してはいないの　結ばれる運命なら　もう一度　どこかで　会えると思うから…」の歌詞が、長い時間を経てのこの曲との再会とも相俟って、いい味を出していた。普段、ダンエモンは「運命」という言葉が嫌いであることを公言してはばからないのだが、この曲のこの歌詞を聞くときだけは好きになれるから勝手なものである（苦笑）。

１２．FOREVER
簡易感想　ライブ定番曲にして、セカンドシングル曲がこの中盤にて登場。「TOMORROW」でデビューした真夜さんは、サード・シングル「Alone」のリリースまで、「TOMORROW」の第一印象が抜けないことに苦悩したことを以前に語られていたが、ダンエモン的には両曲の狭間にあるこの「FOREVER」の方が好きだったりする。

　クリスマス前後には一夜の思い出を作らんとして駆け引きする男女も多いことだろうけれど、勿論本当の恋愛関係は一過性の物が理想ではない。「元気がないと　いつも　連れだしてくれる　私の気持ち　どうして　わかってしまうの」の歌詞の如く、本当に元気のない時にこそ分かり合える間柄であり、「つないでいる　このぬくもり　離さないで　I LOVE YOU　寂しい時うれしい時　どんな時も　そばにいてね」の歌詞の如く、一夜に限らない、時を選ばぬ絆こそ理想であろう。

　普段は一人身ゆえに世のカップルに敵意を燃やす道場主…………あ、いやいや、簡単にくっついては簡単に離れることを繰り返す男女に眉を顰めるダンエモンだから、真に祝福されるべきカップルの前途に「FOREVER」を祈る次第である。

１３．Help me
簡易感想　「楽しいライブ」のコンセプトの元、皆で踊るこの曲がエントリーされ、11年振りにこの曲を踊ることになったが、3年9ヶ月前に「Help meⅡ」を踊っているので、以前ほどの懐かしさは感じなかったが、それでもダンエモンも、参加者も皆踊れるのがステキ（笑）。

　11年前の1999魔法のリングにKissをしてツアーではこの「Help me」と「Help meⅡ」を立て続けに踊ったこともあって、ノリに心身を委ねた面もあったが、今思えば、「助けて下さいナ」とか、「はっちゃめっちゃ」といった歌詞が、「あなたいつの時代の人ですか？」とツッコミたくなる（笑）。とはいえ、名も無き漠然とした存在である「パペポピ神様」にまで助けを求めたくなる昨今の世だからふた昔前の楽しいノリに何もかもを忘れる時が必要なのかも知れない。

　誤解を恐れずに言えば、また忘れた頃に再会したいノリであった。
　また皆で踊る際にはチェロ担当の五十嵐あさかさんが引っ張り出されて一緒に踊っていたが、五十嵐さん、照れまくりでしたね（笑）。
　人間時には恥も外聞もなく踊り狂う解放感も必要であることを彼女にも知って欲しいものである（笑）。勿論TPOは弁えた上での話ですがね。

１４．アララの呪文
簡易感想　まあ、このようなサイトを運営し、人後に落ちない真夜ファンであるとの自負のあるダンエモンだが、まだまだファンとして認識不足であることを思い知らされた。

　いくらCDに未収録とはいえ、有名少女漫画『ちびまる子ちゃん』のエンディングに使用されていることをこのライブに参加するまで知らなかったのだから……。『ちびまる子ちゃん』の名前からすぐに予測はついたが、この曲の作詞は同番組の作者・さくらももこ氏で、曲調は超有名アニメソング・「おどるポンポコリン」を連想させるノリだった。

　残念ながらダンエモンの記憶力と聴力では初めて聴く曲の歌詞を正確に把握し、解説することは出来ないが、アニソン調の中にも、「涙あふれ出しても」や「つまづいても」という歌詞がどこか真夜さんらしさを感じさせる。

　結局自信を持って記憶出来たのは真夜さんが振り向き様に歌い上げたラストの「ジャンジャカジャン」だけで（苦笑）、このノリも「おどるポンポコリン」に共通するものが感じられ、上手くは書き表せないが、真夜さんとまるちゃんのツィンM（←勿論即興で勝手に読んでいるだけ）の得も言えぬ融合を堪能した次第であった。

１５．そのままの君でいて
簡易感想　1年の終わりだから思うのだが、思えば平成二二(2010)年はこの曲を巡る問題が世を騒がせ、真夜さんとこの曲の名が報道にのぼることになった。
　今更この騒動についてはとやかく言うつもりはない（真夜さんも事務所に一任しているので）。ただこの曲を聴く機会が増えたことを喜ぶのみである（笑）。

　色々言われつつも、一年を通じて真夜さんはいつもの通りにこの曲を歌い続けてくれた。一連の騒ぎに奇を衒うこともなく、誰かを詰めたり非難したりすることもなく、偏見の悪意も残さず、再会と勇気と喜びをもたらし続けてくれた。
　偏に「そのままの君でいて」くれたことに感謝する一年の締めくくりだった。

１６．TOMORROW
簡易感想　今年2010年最後のライブもいよいよ大詰めの所で真打ち登場となる「TOMORROW」の登場である。
　今更説明の必要のないデビュー曲にして、代表曲である。正直、コメントに困る所だが、当たり前のように出てくるからこそ、「二人でただ歩いてる　この感じがいとしい」如くに、ただ生で聴いているという何度も味わった感覚が却って感慨深い。

　次の曲が最後ということもあってか、大詰めの盛り上がりに対し、知野氏もまたギターを演奏しながら真夜さんとは反対の方向に駈け出して、歌だけでなく、アクションももって盛り上げてくれたものである。
　本当に、演奏に、コーラスに、アクションに、デュエットに、と知野氏の為す役割は大きなものがあるのを改めて実感したものである。

１７．逢いたいよdarling
簡易感想　いよいよ最後の曲である（勿論アンコールを除いてである）。この「逢いたいよdarling」は最新アルバム『Close To You』にて収録され、（ダンエモンが参加した）ライブで聴くのはこれが初めてだが、曲の誕生自体は何と15年も前であることを真夜さんの口から語られたことに驚いたものである。
　勿論15年前と言えばデビュー時か、その前後の大差ない時期の筈である。以前、デビュー時点で「TOMORROW」、「BLUE STAR」、「サヨナラ」が作られていたのは真夜さんの口から聞いたことがあったが、一体、この時点で作られていた未発表曲は何曲あるのだろうか？

　以前にも触れたことがあるが、ダンエモンは個人的に「darling」という単語が肌に合わないのだが、愛しい人の誕生日を前にして、或いはその誕生日が過ぎる前に「逢いたい」という気持ちを抱いて飛びこむ様は、似た事例を大黒摩季さん・椎名恵さんも歌っているので、聖夜の締め括りに、否、それが終わる前に「会って伝えたい」との一途さが心地良かった。

アンコール１．I blieve
簡易感想　この日のライブの終了直後に退場曲にも使われたこの曲がアンコールの一番手であった。思えば、アルバム『Close To You』がリリースされるまではこの「I believe」が2010年唯一の新曲で、15周年記念ライブ、イオンモールフリーライブ、アコースティックライブでも歌われ続けた訳だが、『Close To You』リリース後も2010年を代表する一曲として歌われ続けているのが嬉しい♪

　道場主の日常だけじゃなく、世相的にも2010年もまた社会的に先行きの見えにくいまま暮れてしまった。だからこそ、と言っては語弊があるが、「きっとたどりつく　明日への扉を　この手で開こう　歩いてるから　見つけられる光がある」という歌詞が響かずにはいられなかった。
　2011年はこの歌詞を結果論として見つめたいものである。

アンコール２．Beautiful Days
簡易感想　前月のアコースティックライブに続き、この曲がアンコールを飾った。前回のような大合唱はなかったが、「手を繋ごう」、「抱きしめたい」、「なんとすばらしき日々」等の歌詞がラストを盛り上げてくれた。

　思えば、15周年記念を真夜さんと供に迎え、初めて握手することも出来たこもあって、真夜ファンとしては素晴らしい一年を送れたが。リアルでの道場主としてはこれといった慶事もない厳しい一年だった（特に生業面では）。だからこそ「今日と同じ明日はないから」の歌詞を聞いて来年に期する所があったが、いい加減、真夜さんにエネルギーを与えられてばかりではなく、こっちが真夜さんにエネルギーを送れるようでないとな、と思わせられたものである。

アンコール３．ANNIVERSARY
簡易感想　アンコールは大抵2曲で終わり、バンドメンバーの紹介後、メンバー達が舞台から去ったことで、ライブは終了したかと思ったが、壇上にただ一人残った真夜さんが歌ったこの「ANNIVERSARY」（しかもアカペラバージョン！）が真のラストとなった。

　そもそもこの「ANNIVERSARY」という曲は収録されているアルバム、『Smile』・『Crystal Scenery』・『RISE Ⅰ』のいずれでもトリを務め、アンコールで歌われることも多い、締めに相応しい曲である。
　歌詞の中にも「X’masには甘いキッスを」とあることからも、このクリスマスライブにも相応しい選曲であり、季節感のマッチングと、数々のライブでアンコールを飾った懐かしさのブレンドがまた得も言えぬ味わいがあった。

　ここに真夜さんのデビュー15周年となる2010年最後のライブは終了したが、この「ANNIVERSARY」には名前の通り、数々の記念日において歌われ続けて欲しいものである。

所感　単体のライブとして見ると踊りあり（「Help me」）、参加ソングあり（「真夏の夜の夢」・「アララの呪文」）、ニューアルバム曲あり（「Close To You　～ひとりじゃないよ～」・「横顔」・「星の夜も雨の朝も」他）、定番曲あり、と趣向の凝らされたバラエティー溢れるクリスマスライブだった。

　勿論、同時にこのライブは15周年記念の一環にして、今年最後のライブでもあった。否が応でも2010年という年に参加した数々のライブが思い起こされたが、今回のライブのみならず、一年を通じての真夜ライブにもバラエティーがあったものだった。

　2011年の真夜さんの活動がどうなるかはうかがい知れないが、2000年の出産から10年を経て様々なカラーを見せるようになった真夜さんに、これまでのカラーを守りつつも、女性として、母として、アーティストとして更なるカラーも期待したいものである。

　

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平成二三(2011)年一〇月五日　最終更新

クリスマスライブ

正式タイトル Mayo Okamoto 15th ANNIVERSARY X’mas LIVE

正式タイトル　Mayo Okamoto 15th ANNIVERSARY X’mas LIVE