日時 2014年12月6日(土)開演 場所 神奈川県横浜市中区 横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホール 背景 恒例化しつつあるクリスマスライブ………平成二六(2014)年、最後に行われたライブ………誠に申し訳ないが、このライブに関してはかなり記憶がすっ飛んでしまっています。
というのも、ライブ自体は毎回の如く、実に楽しく、素晴らしいものだったのですが、ライブの5日後、ダンエモンの父上が病気で亡くなり、その衝撃の強さ(何せ、親を亡くしたのは初めてで、血の繋がった身内に死なれたこと自体が30数年ぶりだったので……)にその直前の日々の記憶はすっ飛んでいる。
極めて私事であり、ライブ当時には何の関係もないことなのだが、上記の事情が下記のレポート感想における真夜さんの魅力を軽減させてしまっていることにあらかじめの御理解が頂ければ幸いです。
1.White Christmas 簡易感想 イントロは「Christmas Love 〜kantate I47 Version〜」で、ギター&チェロ担当として、真夜さんが「ナンパした(本人談)。」伊藤ハルトシ氏が、ピアノ担当として大坪稔明氏が、そしてスパンコールを大量に鏤めた半袖上着(←本人曰く、「人間ミラーボール」)に赤いロングスカートを纏って我等の岡本真夜さんが登場。
聖夜の荘厳さあり、笑いあり、華やかさあり、でライブは幕を開けたのだった。2.LOVIN’ YOU 簡易感想 スティービー・ワンダー氏のバックコーラス出身で、31歳の若さで夭折したミニー・リパートンさんの名曲。
洋楽音痴なダンエモンでも、さすがにアン・ルイスさん、平井堅氏、今井美樹さん、本田美奈子さん、その他錚々たるミュージシャンがカバーを行っているこの名曲は知っている………………実は大黒摩季さんもカバーしているからなんですけどね(苦笑)。
従って、ダンエモンがこの曲をライブで聴くのは初めてではない。
「spring time」という歌詞が些か季節外れなのだが、「lalalalala」の歌詞とピアノのシンクロが得も言えぬ趣を醸し出していた。3.Close To You 〜ひとりじゃないよ〜 簡易感想 3曲目にして本来の真夜ソングが登場。タイトルだけ見ればザ・カーペンターズを創造しそうになるが、それにインスパイアされつつも独自の想いで作り上げられた真夜ソングである。
以前のライブでも紹介されていたが、今回も「会えない友達に手紙で」と言う想いを込めて作られた曲であることが紹介された。アルバム『Close To You』リリース以来、それなりの頻度でライブに登場する曲ではあるのだが、それでも約2年振りだった。
リリース曲が増えるとどうしても存在感の強い曲と、そうでない曲が出てくるが、だからこそ友情を重んじる曲が折に触れて登場する真夜ライブの傾向に嬉しいものがあるのを改めて感じさせられた一時だった。4.La La La 簡易感想 この曲も意外によく出ている曲である。 タイトルだけを見ればどうしても同名の摩季ソングに意識が行ってしまうのだが(苦笑)、今回は少しいつもよりも印象が強かった。
それは「飛び続けることは出来ないから」という歌詞が現在のダンエモンの心境を捕えたからである。
人生において、仕事でも、趣味でも、家庭事でも、恋愛でも、止まることが許されない時、後先考える暇なく我武者羅に突き進まなければならない時、馬車馬の様に動かなければならない時が幾度か訪れるし、かなりの頻度で見舞われる時もある。だが、「忙中閑あり」という格言の如く、動き回らなければならない時にこそ、不動の趣を重んじなければならないのもまた事実である。
情けない話、ダンエモン自身今後も順風満帆な人生を満喫できる自信は全くない。だからこそ「サクッとひとやすみ」を大切にしたいにしたいと考える。もっとも、気を抜くと休んでばかりになりかねないのだが(苦笑)。5.ハピ ハピ バースデー 簡易感想 今回、この曲はかなり特別な想いを込めて歌われることになった。
というのも、ライブ当日の午前2時、伊藤氏に長女が誕生!そして伊藤氏自身翌日である12/7が誕生日であることが発表され、真夜さんを初め、参加者一同この曲に心を込めて伊藤親子を祝福することになったのであった。
この曲の歌詞は恋人同士で誕生日を祝っているものであることは明らかなのだが、それを承知の上でも「あなたと出会えたことに 感謝したい 誰よりたいせつな 大好きなあなたへ」の歌詞がしっくりくることに改めて驚かされたものだった。
歌詞の締めである「Song for you」が歌われた際には、真夜さんが伊藤氏の方を向き、最大限の祝福を示したことを付け加えておこう。ファンのためのライブでも、この日のこの曲だけは伊藤氏のために歌われたとしても誰も不平を抱くことはないだろうから。6.TWILIGHT 簡易感想 セカンド・アルバム『Pureness』収録曲だが、デビュー当時の作であることが真夜さんの口から語られた。
真夜さんには未発表の作が多く、作られたときと発表される時に大きな時間差が生まれる物も少なくないから、これからも「デビュー時の作」と発表される曲は次々と出て来ると思う。しかしそれでも「「TOMORROW」、「BLUE STAR」、「サヨナラ」が「デビュー時」の作」というイメージでいたから、ダンエモンはファンとしてまだまだ修行不足である。
また冬を舞台にした真夜ソングが多い中、冬の代表的な星座である「オリオン」を用い、歌詞の中に「12月」という歌詞が有りながらクリスマスライブで初めて聴いたと云うのも意外だった。7.カサブタ 簡易感想 伊藤氏が楽器をギターからチェロに変更。過去の心の傷と向かい合う真摯さと、本音を伝えたいのに強がってしまうジレンマを抱えた様の秀逸さを充分理解しているのに、いまだにタイトルが頭に浮かぶとニヤケてしまうダンエモンだった(その理由が気になる方は「カサブタ」の解説を見て下さい)。
改めて思うのだが、(自分自身を含めて)人間はどうして役に立たないと分かりながら強がってしまうのだろうか?
勿論その謎が簡単に解けたり、理屈通りにすべての行動がコントロール出来たりするなら誰も苦労はしない。
今回、間奏時に真夜さんが少し肩を落としていたのに、リアルでの想いが反映されているようで印象的だった。8.星の夜も 雨の朝も 簡易感想 う〜ん、今回のライブはアルバム『Close To You』収録曲が多いなあ……。最新のアルバムは『Tomorrow』なのだが、やはり「震災あってのアルバム」との存在感が強いのだろうか?
まあ、それはさておき、この曲においても「友達の遠距離恋愛」が元ネタになっていることが披露された。中でも友達の、「彼氏の時計を見る癖が気になった。」とのことも言及されていたが、以前話していた「友達の許可」は取れたのだろうか?(苦笑)
ちなみにこの曲をライブで聴くのは3度目で、前回は歌詞に合わせて両膝を揃えて曲げていたのが印象的だったが、今回はその様な振り付けが無かったのがチョット残念だった。9.この星空の彼方 簡易感想 この曲の次からピアノインストに入る為か、この曲は弾き語りで披露された。例によって、この曲が生まれたエピソードにも触れられたのだが、今回のライブでは曲に関するエピソードが多かったためか、この曲に関しては「ファンレターを元に作られた。」とだけ述べられた。
まあ、シングルリリース時を初め、何度も詳しく解説されているからね、この曲に関しては………。
10.また会える日まで 簡易感想 ここからはピアノインストである。初めて聴いた曲だが、さすがに歌詞についてはコメントしよう無しをご勘弁をば(苦笑)。 11.Call me
簡易感想 ピアノインスト。この曲を聴くのは2回目。かなり速いテンポだったのが印象に残った。 12.Wind road
簡易感想 この曲までがピアノインスト。前曲に続き、これも2回目で、前回同様「風の谷のナウシカ」のイメージであることをかたられたが、ダンエモンはいまだにナウシカを観たことが無かった(苦笑)。 13.アララの呪文 簡易感想 GWの19周年記念ライブに続いて今年もこの曲が聞けた。前回、「来年(2015年)の春にはセルフカバーしたい。」と真夜さんが行っていたが、今回はそこに「20周年に向けて提供した楽曲のセルフカバーを」と付け加えられ、前回の発表以上に現実味を増してきた(まあ、早いか遅いかだけでカバーされる日は必ず来る訳だが)。 14.大丈夫だよ 簡易感想 正直、前述した衝撃のためにここからは記憶が薄れている。今想えば、亡き父にタイトル通りに想って貰えない、頼りない息子のまま逝かれたことが悔やまれる………。 15.宝物 簡易感想 これも印象が薄らいでしまっているので、ノーコメントをお許し願いたい(土下座)。 16.桜舞い降りる頃涙色 簡易感想 相川七瀬さんに楽曲提供された名曲が再度、提供者自身の手で歌われた。「アララの呪文」での言及通りなら、この曲もまた20周年記念のセルフカバーが期待出来そうである。
何かと迷いの多い人生だからこそ、「優しい嘘に彷徨う」の歌詞が哀しく映えるのだろうけれど、同時に提供曲でありながら、持ち歌としての想いの強さが伺えた気がしたのはダンエモンの気のせいだろうか?17.サヨナラ 簡易感想 この曲は弾き語りで歌われた。大坪氏がアンプをドラム代わりに叩いて伴奏を為していたが、ああいう方法は「あり」なのだろうか?(笑) 勿論本職の大坪氏がやるから様になるのであって、この日も例によって昼から酒を飲んでいたダンエモンが同じことをやれば「酔っ払いの調子乗り」に映ったことだろう(苦笑)。 18.そのままの君でいて 簡易感想 この曲に関してもライブ時の記憶が薄れてしまっている……。敢えて穿った物の見方をすれば、4年半前の事件の影響は完全に脱したからこそ、変な印象が残っていなかったのだろう。 19.TOMORROW 簡易感想 真夜さんに「一緒に歌おう。」の声に促されて、このデビュー曲をにて(アンコールを別にして)締められた。
勿論、参加者全員声に出してこの歌を歌っていたが、真夜さんの呼び掛けに対してはまだどこか皆さん遠慮しているように思われてならない。だがいつもに比べて何度もサビが繰り返されたこともあって、繰り返すたびに気合が入っていく様もまた心地良かったのだった。アンコール1.ANIVERSARRY 簡易感想 黒一色に衣替えしてアンコールの為に真夜さん再登場。ツーピースの色は黒のみだが、腰元の赤い花がワンポイントとなっていたのと、胸の上、肩、二の腕が少しメッシュっぽくなっているデザインがまたSehr gut(=Very good)だった。
深読みすると、「赤い花束」や「白いTシャツ」と云う色を示す歌詞とのコントラストか?(笑)
クリスマスライブの参加はこれが四度目だがやはりこの「ANNIVERSARRY」は欠かせない。アンコール2.恋 簡易感想 ここで未発表曲が登場。真夜さん曰く、「リリースまでが長い(苦笑)。」とのことで、予定は未定だが、少しかすれ気味に愁いを帯びながら余韻を漂わす歌い様が絶品だった。
歌詞の内容は失った恋を惜しむもので、小節の末尾にてタイトルとでもある「恋」の歌詞が連呼されていた。リリースが待ち遠しい、の一言である。アンコール3.Beautiful Days 簡易感想 前出の「ANNIVERSARRY」と並んで、アンコール登場曲の定番だが、ライブでの遭遇は意外にも3年振りだった。もっと頻繁に出ている気がしたのだが……。
特に印象的だったのは、真夜さんが「笑顔」の歌詞に自らの顔を触っていたことである。
誰だって喜怒哀楽の感情の内、「喜」と「楽」のみで生きられたらそれに越したことはないが、どうしても「怒」と「哀」もつきまとう。だからこそ「笑顔」を忘れずに生きることは重要かつ永遠のテーマであることを改めて教えられた気がした。所感 ここ数年、真夜ライブには年に2回程しか参加出来ず、2014年も2回の参加で終わった。偏に仕事が出来ないからい時間と資金が確保出来ないだけである。「平穏無事これ名馬なり」という言葉があるが、安定さえままならないとファンとしての時間を確保出来ないことにもなるのが何とも情けない。
そしてこれは結果論なのだが、ライブの5日後に父がこの世を去ったのだが、万一、父の死がライブ中だったら、今際の際に大阪を離れていたことが生涯トラウマになるところだった…………。
父の病は現代医学では不治の病(ALS=筋委縮性側索硬化症だった)で、治療と言うより延命に務める日々で、それとて数年の内に呼吸筋麻痺で死に繋がるのは避けられない状態にあった。しかも父の場合、進行が早かった。
それゆえ最悪の事態に対する覚悟は、少しは出来ていたが、それでも父の死は「早くてもここ一、二年のこと。」と認識していたので、東京に遠出することに対する両親の白い目を振り切る様にライブに参加した訳で、この「5日間」という時間差は今も心に影を落としている。
父の最期は、いつかこの病気で息を引き取る日が来るのを認識していたのを考慮に入れても、突然にやって来たので、ライブに限らず、出張や研修やその他の行楽で実家を遠く離れていれば同様の悔みが生じていただろうし、ライブでの楽しい思い出に物凄い皮肉が伴うところだった。
勿論その懸念はライブの翌朝、無事に帰還した時点でいつもと変わりない父を見た時点で過去のものとなっていたのだが、それでもライブの日とX-dayはもっと離れていて欲しかった気がする。勿論X-day自体がまだまだ来ていなければ、との想いは尽きないが。
まあライブレポート本来の目的をかなり薄れさせたものになってしまったが、何分これまでの人生で一番の衝撃を受けたことを御理解頂けると有り難い。
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平成二七(2015)年五月二六日 最終更新