未来へ

作詞 岡本真夜 作曲 岡本真夜 編曲 西垣哲二

解説 岡本真夜さんの6thミニアルバム『Happy Days』の6曲目に収録。タイトルにもある「未来」を対象とした歌は真夜ソングには多いのだが、自然とタイトルも似た「明日へ」と比較してしまう。

 同じ未来を見据えるにしても、「明日へ」が卒業を背景にし、学生仲間に呼びかけている色合いが強いのに対し、この曲は背景や仲間との関係が漠然としている。
 ただ、冒頭に「時には友達 時には家族みたいに 出会えた奇跡に ありがとうを忘れない」とある様に、呼び掛けている対象者が大切な仲間であることに間違いはなく、「毎日 笑顔でいたいから 明日のために 誰かのために」とあることからも、見据えている「未来」が広く、長いものであることは疑いようがない。

 明るさと決意に満ちた曲ではあるが、逆の見方をすると、「あきらめない想いを紡いで 未来を創って行くんだ」や、ラストの「いつの日にか想いは届くよ 未来を創って行くんだ 未来を変えて行こうよ」との歌詞から、主人公とその仲間は現状に満足していない、別の云い方をすれば未だ夢を叶えていない状態にあるのだろう。また「時には立ち止まり 振り返る時間もいい 一人じゃない 独りじゃない みんないるから」とあるように、長期的視点に立っているのだろう。

 対象や背景が漠然としている故に、些か目立たない曲であることが珠に瑕だが、「みんなで笑っていたいから 今日も愛を 手と手 重ねて いつの日にか想いは届くよ」とあるように、敢えて対象を絞っていないところに広大無辺さを感じることを述べてこの解説を締めたい。


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令和六(2024)年四月二五日 最終更新