三十路街道 まっしぐら〜社内恋愛編〜

作詞 岡本真夜 作曲 岡本真夜 編曲 岩渕聡志

解説 岡本真夜さんの8thアルバム『Soul Love』の5曲目に収録。一言で言って、タイトル的にも身につまされる曲である(苦笑)。「年甲斐もなく 君が好きだ!」「目指すはひとつ! 寿退社!」といった歌詞から主人公は一人暮らしの女性で、後輩もしくは部下である「君」「何年ぶり」かで「ときめ」いていること等が容易に推測される。

 まずダンエモン的に主人公には性別の違いこそあれど色々意味で同情し、身につまされ、同病相憐れむ(苦笑)曲である。
 「実家に帰れば 皆口揃えて 結婚はまだか?って いい人はいるのか?って 今にみてろー!」の歌詞にはやたら「結婚」について外野からとやかく言われることのウザさと、別に身内の為じゃなく、自分自身の為に理想の相手を求める恋愛の筈なのに「今にみてろー!」の台詞が出て来る気持ちもよく分かる。
 「勝手にこの人が運命の人だと思い込んで 何度 失敗してき」たりすれば、積み重ねた惨めさを補って余りある理想的な恋を求めもするし、一方で惨めさを重ねまいとして「 トホホな恋に今度こそならないよう」にとの気持ちが先立ち、「石橋叩きすぎて割れちゃいそう」になるのもよく分かるから、そこに理想を自分に一人の物のレベルに留められず、理想を求める過程において「今にみてろー!」という言葉が湧いて出てくるのも痛い程よく分かる(泣笑)

 タイトルにもあるように、仕事にプライベートに気力・体力が充実する「三十路街道」にある主人公が少年少女的な純朴さとも稚拙さとも言える接近を試みている様は微笑ましいものがある。  「君のデスクまで 半径5m」という物理的には近い距離にありながら、主人公は「なんだかんだって 口実作って 会いに行く」というアプローチを繰り返しているわけで、そこには些細な接近の一つ一つにも「仕事そっちのけ」「二人きりで 話せ」ることや、「いつもそばで 君のそばで」いることに幸せを感じる様は10代のようですらある。

 主人公と「君」の勤める会社が社内恋愛を容認しているかどうかは不明だが(ちなみにこの文章を綴っている2007年5月現在、ダンエモンは社内恋愛禁止の会社に勤めている)、「踏み外しそうなあたしの浮き具合」から「君」に対する好意を示すのは難しい状態にあるようだ。そうでなければ「いつランチに誘おうか」レベルの試みぐらいに「15日」もかかるまい(笑)。
 だがそんな問題に「地球がぶっ飛んでも Ah〜I love you 君がいるだけでいい」との想いで接している主人公は応援してやりたいと思ってしまう。

 最後にこの曲は主人公の父親っぽく語りかけるDJ的な語り部(?)がいい味を出している。2007年3月16日に大阪なんばHatch行われたライブでは関西弁にアレンジされたが、DJ役に扮したドラムスの人には最後の「ありがとうございました」は「おおきに」と言って欲しかった(笑)。


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平成二三(2011)年三月八日 最終更新