作詞 岡本真夜 作曲 岡本真夜 編曲 西垣哲二&岡本真夜
解説 岡本真夜さんの10thアルバム『Close To You』に3曲目に収録。恋愛のみならず、(異性・同性問わず)友情を大切にする真夜さんらしい一曲で、遠く離れた友を懐かしみ、会いたがるだけでなく、その想いが間違いなく力になっていることを述べる決意が何とも心地いい。
ジャイアン並みに音痴な男であるダンエモンは、詞の素晴らしさは自信を持って主張できるが、曲の素晴らしさは質・フィーリングともに自信を持てないでいる。しかしながらこの「My best friend」に関しては一点、自信を持って断言できる部分がある。
それは「離れたって変わらない想い」、「流されないように私は 今日も歩く」、「君の声をぎゅっと抱きしめて」、「飛んで行くよ」の歌詞に共通する後部三文字の音で、「想い」も、「歩く」も、「しめて」も、「行くよ」も全体の曲調からも決して迫力ある歌い方ではないのだが、それでも一文字ごとに高め挙げられる音の力強さには得も言えぬ魅力があって、大好きである。
歌詞として注目したいのは、「“君のそばにいるよ” “ずっと一緒だよ” 少し頼りない私だけど 君の笑う顔 君の幸せを 心から願ってる My best friend」の部分である。直前に「昔から支えてもらってばかりだけど つらいときは 電話してね 飛んで行くよ」と言う歌詞があるが、そこから推察するに、主人公と「君」との友情では、主人公の方が助けられることが多かったのだろう。しかしながら主人公もまた「君」の力、支え、精神的なよりどころ足らんとしている所が何とも心地いい。
純愛の歌で、友情を歌ったこの「My best friend」とはジャンルは異なるが、守られつつ、守ってあげたい想いを歌った「星の夜」が思い出された。勿論、この曲と同様に友情を歌った曲である「同窓会〜Dear My Friends〜」、「また会おうね また会えるよね」、「明日へ」に通ずる所も多い。
当たり前の話だが、恋愛は一人でするものではなく、一方が一方を想っているだけでは、どんなに距離的に近くて、肉体的にくっついていようと、それは同情と片想いがくっついているか、いやらしい言い方をすれば性欲・肉欲でくっついているに過ぎない。
そこを考察すれば、「つらいときは 電話してね 飛んで行くよ」の想いは、元祖・岡本真夜ソングである「TOMORROW」以来、決して変わることのない真夜さんの思いであることが窺えて何とも嬉しいものである。
願わくば、「この街で何度目の季節 迎えるんだろう」の歌詞からも、何年も会っていないと推察される主人公と「君」が「お互いの夢 叶え」て再会できる日が近くあって欲しいものである
真夜の間へ戻る 平成二三(2011)年四月一〇日 最終更新