長い夏
解説 不覚にもいずれのいずれのアルバムによるものか(恐らくはベスト版かシングル集)に収録された物を道場主はがむしゃらに椎名ソングを集めていた時代にレンタルしたCDからカセットテープにダビングして所持している(苦笑)。類似名の曲に「二人の夏」があるが、関係はないと思われる(笑)。
歌詞内容はかつての恋人である「あなた」が「結婚すること」を聞いて、かつての恋にようやく心の整理をつけれそうに感じている内容になっている。恐らく主人公はかなり昔に終わった恋を心のどこかで引き摺っていたのであろう。そして最も強く引き摺っていたのが二人で楽しい日々を過ごしたか、別れそのものか、とにかくなにがしかの強い思いが残る「夏」という季節であり、それを長く引き摺ったゆえに「二人の夏」となっているのであろう。
ダンエモンのお気に入りの部位は「風の始まりを みつけに行くわ あなたはあなたの そう 私は私だけの」である。ここでいう「風」とは時の流れの比喩であろう。「THE WIND」にも見られる傾向である。勿論「風の始まり」とは新たな人生の始まりでもあり、「あなた」の「結婚」を機に自分だけではなく、「あなた」の新たな局面にも応援の意を送っている事に長い時間、「あなた」を想い続けてきた事を伺えて興味深い。
そしてこういう風に歌詞を見ていくと二つの疑問にぶつかる。そのひとつは冒頭の、主人公に「あなた」の「結婚」の報せをもたらした「彼女」の正体である。後々の歌詞に一切出てこないので、その正体は不明で、「あなた」の結婚相手とも取れるし、かつて主人公と「あなた」を取り合ったライバルとも取れる。
もうひとつは「今もいつかは遠い日ね」という歌詞である。「今も」ということはこれまでも「いつかは遠い」だったわけだが、「いつか」とはどういう日なのだろうか?
一応想像できるのは主人公が夢見続けた「あなた」とよりを戻す「夏」の日の再来だったのではあるまいか?取り戻せなかった「夏」は「あなた」の結婚によって尚更取り戻せないものとなった。なればこそ主人公には歌詞にて仮定している様に「長い夏」を「窓に飛ばして」、「過去に飛ば」して欲しいものである。
恵の間へ戻る