夏が来る、そして…

         作詞 大黒摩季 作曲 大黒摩季 編曲 NISHIHIRA AKIRA
解説 5thマキシシングルのA面にあり、アルバムでは『RHYTHM BLACK』のトップバッターでもある。マキシシングルリリース前にタイトルからして代表的摩季ソング「夏が来る」が嫌でも彷彿とされ、続編としてのこの曲の内容が期待されて話題になり、そしてその期待が裏切られることはなかった。
 曲の内容は前述した様に正に「夏が来る」に続くものとなっており、それは冒頭の「あれから10年経ったけど 暮らしも名字も変わらずに」がいきなり証明してくれている。そして本当に「夏が来る」のリリースから10年たっているのである(笑)。
 何と言っても「夏が来る」の続編になっているので、10年という歳月を経つつも変わりのない一人身とそれに伴って周りに騒がれて焦りと戸惑いの渦中にありながら、改めてそれに負けず、我が道を行く様が再来してファンを喜ばせている。が、ある意味完全に共感できるのはそれはそれで少し寂しいものがある(苦笑)。
 さて、ダンエモン自身の所感を語ると始めてこの曲の歌詞に触れた時にギクリとさせられたところがある。殆どバレバレと思うがそれは「男はみんな甘えたがり そのくせ俺色に染めたがり」である。年上の女性に甘えてる様にいちゃつくシチュエーションに憧れ(←マザコンじゃないぞ)、自己顕示欲の強いダンエモンにとって、思い切り身につまされる歌詞である(苦笑)。
 さて、曲の解説はどうしても「夏が来る」との比較になるのだが、主人公が前作に比べて年を食った分(笑)、内容は濃い。「悩み苦しんだ20代 行き着くところ自分次第」「エステのローンは残ってるけど 全ては無駄じゃなかったのね」「バツイチ・バツニは当たり前 何にもないと深読みされて 貰ったブーケは数知れず 払った御祝儀は底知れず」といった歌詞が次々と所帯を持つ周囲や年齢がプレッシャーになっている様子が否が応にも感じられる、ダンエモンにとって他人事じゃないから尚更である(苦笑)。
 勿論この歌は愚痴を並べ立てる歌では断じてない。旧作の決意を再認識する歌でもある。「少し地味だけど 白馬もないけれど 温かく優しい ほのかな愛をくれる人」「逆転勝利か?! 女王様」という風に旧作に見られる単語が使われ、夢を捨てたり忘れたりしていないことを示しているのが嬉しい。それでいて「心を塗り替えて 人目も笑い飛ばして ここまでねばったんだから本当に来てくれなきゃ困る」という本音を吐露し、「恋の数だけ 涙の数だけ 最後に笑うのは…ワ・タ・シ!!」という声高に叫んでいる最大の決意はダンエモンの最も共感したい歌詞でもある。そうだぁ!!俺も最後には笑うぞ!!
 さて、この曲は2003年の摩季ライブツアーでは一つの目玉となった曲でもある。「夏が来る」が歌われた後で歌詞にもある、「あれから10年経ったけど」を合言葉に摩季さんが観客にこの10年の動向を尋ねながら時の流れに負けまいとの決意をコミカルに示してこの歌への導入としていた。ダンエモンは浜松にて勿論この10年何もなかった人達と共に同意の雄叫びを上げた(苦笑)。
最後にこの曲が世に出て約半年後に大黒摩季に夏が来た事を付け加えておこう(祝)。
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