夏に終わる恋

         作詞 椎名恵 作曲 羽場仁志  編曲 戸塚修
解説 椎名恵さんの7thアルバム『VOLAGE』の6曲目に収録。夏の日の一夜の恋を歌っているようでありながら、どこか後々に期す所のある一筋縄では行かない曲である。
 頭が固いのか、ダンエモンは一夜限りとか、行きずりの恋と言うのは好きではない。タイトルを見た時はそういうその場限りの恋に思われたが、「来年の夏にまた 私はここに来る 一人だったら恋をしましょう」という歌詞がひっかかった。
 というのも、「恋人が待つ場所へ 帰るのと嘘をつく」「私がfreeだと 決めたのはあなたよ 強がり言って」といった歌詞から、主人公が偽りを言ってまで彼氏の存在を理由に「あなた」の思いを拒絶したわけであり、普通ならここで相手を怒らせる。
 相手も一夜限り或いは一夏限り、と割り切った付き合いをしていたのならそれでもいいだろうが、逆にそうなら主人公は偽りを必要とはしない筈である。まして主人公が執着を持っているのは「強がり」「きっと忘れられない」「今もUターンして 戻りたい気持ち止める」からも明らかである。
 ダンエモンには相手の求めを拒絶し、主人公が海を後にする必然性が理解できない、それも「渡されたアドレス 窓から外へ飛ばして」まで。
 無理矢理に考察を重ねて得た一つの推論は、このリゾートラブが「夏の恋は夏には終わる」「ルール」の例外に属するものであるかを確かめる為に「来年の夏」までの観察期間を置いたのではあるまいか?ということである。
 主人公同様に「あなた」がこの恋に本気になりたい気持ちがあるならきっと、「来年の夏」にも一年前の恋に執着を持つあなたが来てくれる…そうなればこの恋は本物だ、と考えたのだろうか?
 安直に「来年の夏」にまた二人が出会って欲しい、とは思わない。ダンエモンなら「ふられた」と考えて、一年後の期待薄い(としか思えない)再会に期するより、その後の日常に走るだろうから(苦笑)。だが、もし「来年の夏」に二人が再会するなら、その時は決して離れないで欲しいと願う。


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