願いはひとつ

作詞 岡本真夜 作曲 岡本真夜 編曲 十川ともじ

解説 岡本真夜さんの5htミニアルバム『Love Stoy』の4曲目に収録。失恋を初めとする過去の恋を顧みる曲が多い同アルバム収録曲にあって、この曲は未来を見据えている。

 ただ、過去への想いが無い訳ではない。それどころか「泣いて泣いて泣いたあの日から 二度と恋はできないと思ってた」で始まっている様に、この曲の主人公もまた辛い失恋を経験し、一度は恋に失望している。
 同時に、今度こそ「最後の恋になるように」として、それをタイトルにあるように「願いはひとつ」としているのだから、主人公は常にその時の恋を「最後の恋」としてそれを失ったら終わり、それを失うまいとして臨んでいるのだろう。

 まあ、本来恋愛をそういう物だともダンエモンは思っている。
 そもそも惚れたら、ものにしたいし、失いたくない。そりゃ付き合った後に相手の想定外な面に幻滅したり、理想と現実のギャップに苦しんだりして恋を終わらそうと思うこともあれば、こちらがどんなに惚れていても相手がこちらへの愛を失う事もあろう。道場主の場合、最初から相手から歯牙にもかけられないことが多いから、初めから失っているようなもの………ぐえええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇ………(←道場主のハンギング・ベアーを食らっている)。
 ゲホゲホ……まあ、いくら恋愛と結婚を同一視する子供じゃないとはいえ、頭から別れを想定して愛したり、突き合ったりする訳ではないと云うことだ。

 殊に、この曲の主人公は「今すぐには 忘れられない過去があっても」と歌っているから、先の恋を失うのは本意ではなかった、有り体に云えば振られた可能性が高い。
 だがその直前に、「臆病だった恋心は まっすぐ あなたに向かっている」「Ah出会えたこと ほんと 誇りに思うの」としている訳だから、弱気ではあってもかなり前向きである。

 道場主も恋を失って次の恋に移るのに間が短いこともあれば、長いこともあるのだが、基本、恋を失ったからと云ってすぐに次の恋に移行するのは感心しない傾向にある。中には振られて一ヶ月で次の告白をした例もあるが、失ったとは云えその度挑んできた恋は軽いものでは無かったし、同じ人間が二人といない以上、次の恋の相手は前の恋の相手の「代わり」にはなり得ないし、「代わり」を求めるのも失礼極まりないと思っている。

 そんな経験上の想いも強いから、この曲の単調ながらも一途な想いは心地いい。常に「最後の恋」と思って、それゆえに失えば「二度と恋はできない」という想いに捉えられる………だから何を置いても今度こそ「最後の恋になるように」ということだけを「願いはひとつ」とする…………その為にも「Ah出会えたこと ほんと 誇りに思うの」という気持ちは貴重であるとともに、その想いが名曲「DREAM」に通じている様で、真夜ソングのブレなさを嬉しく思うのである。
 

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令和五(2023)年一月一二日 最終更新