想い出は海に捨てた

         作詞 椎名恵 作曲 NOBODY 編曲 戸塚修
解説 椎名恵さんの8thアルバム『Because of the rain』の2曲目に収録。極めて大雑把に言えば「逃走」の曲である。
 何から逃げようとしているのかといえば別れた現実からである。別れを切り出しのは主人公だが、その決意は相手を思えばこその断腸の思いでの物である。
 だが主人公は「あなた」への執着を持っていないわけではない。「あなた」のために「あなた」に自分を忘れることを進めつつ、心のどこかで「あなた」を忘れられないから、「あなた」と付き合っていた時と変わりのない「夏のまま」「碧い海」に来て初めて「想い出」を捨てることができた流れはなかなかに秀逸である。
 コアとなる歌詞は「別れようなんて君は強いねと あの日あなたは言ったわ いいえ、最後まで私を愛して 強かったのはあなたよ」とダンエモンは見ている。
 主人公はどこまでも「あなた」のことを思っている。「やさしい女性と 今度は恋をしてね」「私よりずっと 傷ついたあなた」「許してと胸を締める」という歌詞には罪悪感も溢れている。
 具体的にどんな付き合い方をしていたのかはまったく不明だがある意味、互いを認め合って別れられる悲壮感のなさから主人公の罪悪感は当たらずとも遠からじか?という気がする。
 だがダンエモン的には依りを戻す気配のなさそうな歌詞から、主人公にはもう充分に「あなた」への想いは尽くした、タイトル通りに「想い出は海に捨てた」のだから今後は自分の為に生きて欲しい、と声をかけてあげたい。


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