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作詞 大黒摩季 作曲 大黒摩季 編曲 Yohey

解説 元々はデジタル・ダウンロード限定版で、アルバム『すっぴん』の4曲目に収録されたことで初めてCD化した。
 デジタル・ダウンロード版としては最初のリリースで、札幌テレビ創立50周年記念“どさんこワイド180”連続ミニドラマ『桃山おにぎり店』のテーマソングとしてリリースされた。

 こういう曲に接すると摩季ネェが道産子であることを強く意識させられるし、同時にプロを目指して上京からデビューまでの間、繰り返す挫折に時には望郷の思いを募らせた摩季ネェの少女時代終盤期を連想させられる。
 そしてダンエモンもまた夢(と言う程のものも持っていなかったが)の敗北に故郷への想いを募らせた過去を持つ。もっとも、摩季ネェは勝利し、ダンエモンは撤収したが……。

 歌詞の内容はミニドラマの内容も反映されているとのことだが、この歌は望郷と供に、古き良き時代への回顧も募らせてくれる。「家族が家族だった時代」「裕福ではなかったけど なんか幸せだったなぁ 心が通い合ってた日々」といった歌詞がそうだが、歌詞をストレートに見れば、「Oh My Brother」は文字通りに兄弟なのか?と思ってしまう。だが恐らくはアットホーム的という意味の「Our Home」で、歌詞にただ一度登場する「あなた」と言うのも彼氏と言うよりは「幼馴染のお兄ちゃん」的な存在だろう。
 余談且つつまらない自慢だが、ダンエモンはかつて公式ファンクラブサイトのFANLOGにて摩季ネェに「お兄ちゃまのような人」と評されたことがある。一応、摩季ネェより年下なのだが(苦笑)。

 極端に不幸か、幸福の絶頂でもない限り、多くの人々の人生は過去と現在のどっちがいいかはなかなか言い切れないだろう。歌詞の中に「裕福ではなかった」とあることから、恐らく現在はそれなりにリッチと見受けられるが、「心が通い合ってた日々」とあることから交流の少ない日々となっているのだろう。
 出世の果てに必ず幸せがあるとは限らないし、出世したからと言って過去のすべてが遺物となる訳ではないことをこの歌は教えてくれる。そう思いながらダンエモンが特に心惹かれる−と言うよりは身につまされる歌詞が「特別なものになりたくて 背伸びばかり 心の芯折れて 光無くなりゃ皆離れて 揺るがないものが恋しくてたまらない」である。
 恥ずかしながらダンエモン並びに道場主の人生は成功とはほど遠く、「特別なもの」になれるような実績も業績も挙げておらず、初めから「光」が無いから「離れ」「皆」もいない(泣笑)。だから「揺るがないもの」に憧れ、大切にしなくてはならないとも思う。
 過去と現在を対比し、特に誇れる何がある訳でもないが、「ひたむきに生きること」を忘れたくないものである。

 なお、アルバム『すっぴん』の初回限定版付属Disc2に収録されている「セルフライナーノーツインタビュー」によると「故郷・北海道への恩義の倍返し」と言う気持ちと「ベタなんだけど、今の時代忘れがちな「昭和の温かさ」を大切だと思う」という制作中の気持ちを吐露している。


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平成二三(2011)年七月三日 最終更新