OVER TOP

作詞 大黒摩季 作曲 大黒摩季
解説 大黒摩季さんの8thマキシシングルで、アルバム『HAPPINESS』の11曲目に収録。
 少々デカイ面をさせてもらえば、ダンエモンがその存在を摩季さんに認識されている事を知って最初に迎えた新曲でもある(笑)。C/Wがないのは些か寂しいが、イメージアニメーションが収録されたDVDがあるのが嬉しく、珍しい趣向でもある。
 人生を何処かカーレースに重ねて比喩した様な歌詞内容だが訴えんとしている所は、人生への飽くなきチャレンジ精神で、「Rocks」「アイデンティティ」「運命なんかクソクラエ-RUNAWAY BLOOD-」とかぶる所も多い。
 冒頭の「さあ 始まるわ 夢のサバイバルレース」が人生のどの時点を比喩した物かは少々不鮮明だが(取り様が多いと言う事でもある)、「愛も振り切って」「愛」が家族愛であるとすれば、「都会のAVARAGEは高い」からも地方から大都市に就職に出てきた理想に燃える若者への応援歌と捉えるのが一番しっくり来るかもしれない。
 人生の応援歌となるとそこは摩季ソングの事、無気力に落ち込んだり、悔やんでばかりいても負けるだけぞ、と言いたい気な歌詞が多い。「打たれても打たれても打たれる」「立ち向かうことを止めたら落ちて行くだけ」「本気出せる時期は短いわ」と言った歌詞がそれらとして挙げられる。
 それゆえにタイトルでもある「OVER TOP」を冠して叫ばれる「叶う」「届く」「信じて走り続ければ 必ず」「信じて捧げ続ければ 必ず」「絶え間なく昇り続ければ 必ず」「絶え間なく求め続ければ 必ず」と言った歌詞が光るわけだが、夢や愛に対して、何故自分がそれを求めるのか?それを掴む為に立ち止まっていられるのか?それを認識していれば心身はともに自然と動き、正しいベクトルを持っていれば千里の道も一歩が確実に踏出せる。それを考えれば「必ず」という歌詞が言葉以上の重みを持つことがよく分かる。
 別の視点から二点ばかり注目したい歌詞がある。一点は「越えるべき物は壁じゃない自分自身よ」である。自己満足的に「壁」を越える優越感に浸りたいだけなら「ターゲットをぐっと下げれば」いいのであって、何故にその「壁」を越えたいのかを認識していれば「自分自身」を越えずして「壁」は越えられないことが今更ながらにこの曲に教えられる。
 もう一点は「人生は長いというけど 本気出せる時期は短いわ」である。上っ面だけを捉えれば些か年配の方々には失礼な歌詞にも捉えられてしまうが、ダンエモンはこれに対して「本気出せる時期」が何かを志してスタートを切ってからの集中力を保てる「時期」を指して「短い」と考えていると思う。言い換えれば「本気」を保ち続ければ充実感とやり甲斐に溢れれば「人生は長い」のである!手首に届きそうな生命線を持つダンエモンだが、ますます長生きがしたくなったな(笑)
 最後に余談だが「OVER」という単語について。F1を初めとするレースに疎いダンエモンはレース上における「OVER」の持つ詳細な意味合いには触れられないのだが、一般に「OVER」という単語には「終る(例:ゲームオーバー)」、「過ぎる(例:オーバーワーク・定員オーバー)」という、「凄いが、望ましくない。」というニュアンスを御持ちの方も多いと思うが、ダンエモンは「越える」という意味で注目したい。
 道場主は中学生の時に、当時通っていた学習塾の英語の先生に「「on」と「over」の違いを答えよ」と言われ、教科書の上に筆箱を置き、「これが「on the book」」と言い、その筆箱を持ち上げて教科書の上にかざし、「これが「over the book」です」と答えたことがある。
 何事にも頂上と底辺があるが、100分率や最高得点の決まっている競技ならともかく「TOP」「OVER」を目指せる対象は世に多く存在する。少なくともダンエモンは自らの人生の現状を決して「TOP」とは認めないし、摩季さんにももっともっと「OVER」を見せつけて欲しい。


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