Please don't you cry

         作詞 椎名恵 作曲 NOBODY 編曲 戸塚修
解説 椎名恵さんの11曲目のシングル曲にして、7thアルバム『VOLAGE』に収録されているこの曲はダンエモン、というより道場主にとって精神的な意味で命の恩人ならぬ命の恩曲である。
 タイトルを日本語に約すと「どうか泣かないで」となるように一言で言うと慰めの曲なのだが、ただただ甘えさせてくれる曲なんて目で見れば本質を見失う。
 この曲の魅力は悲しみにくれる「あなた」を勇気付けるのに「あなた」及び人間が本来もっているものに気づくべし、と語りかけているところにある。「人は変われるものよ 夢を見れるものよ」「あなたが持つ光は 誰にも負けない」といった歌詞がそれに該当する。更には悲しみや苦難が誰にでも訪れるものであり、それゆえに「大きく息を吸って 顔を上げてごらん」「みんな迷いながら 明日を探している」「泣いてばかりいないで 歩き出してごらん」と言った一見単調でありながら人間の行動の基本に根差した再生への歌詞が光る。
 何の根拠がなくても「見えなかったものが きっと見えてくるよ」と断言できるのも妙に納得ができるというものである。  この曲の歌詞は主人公と「あなた」の対人関係が今一つはっきりとしない。だがそれゆえに誰が誰に対しても励ましの曲となり得る。そしてこの曲は二十歳の時の道場主の心の傷も癒してくれた。
 当時道場主は人生で最悪の失恋をした。それ以前にもふられた経験を持ち、横恋慕ゆえにある程度の覚悟を決めていた道場主は自らが必ず立ち直れることを確信していたが、それでも完全な復活に数ヶ月を要した。道場主は心の癒しを数年振りに聴く椎名ソング−「今夜はANGEL」「悲しみは続かない」「LOVE IS ALL」等−に求め、この曲に出会った。そしてこの曲は道場主の心の蘇生を数ヶ月早めてくれた。
 1999年12月25日、モーダ・ポリティカで初めて椎名さんのライブに参加した際にこの曲を耳にした道場主に去来したのは「ああ、やっと会えた、やっとこの曲に礼が言える」という想いだった。


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