Power of LOVE!

作詞 岡本真夜 作曲 岡本真夜 編曲 岩瀬聡志

解説 岡本真夜さんの8thアルバム『Soul Love』の8曲目に収録。少し子供っぽいわがままを滲ませつつも相手を思い遣り、それでいて相手を独占したい気持ちを前面に出す、エゴと思い遣りの綱引きがどこか微笑ましい。

 相手を独占したい気持ちで自分を想う気持ちを言動に示すことを半ば命じるような真夜ソングは「星の夜」「海へLet's Go!」といった曲にも見られるが、この曲の場合、冒頭とも言える部位で「あなたが握っている この恋の行方」という風に相手の主導権を仄めかしているところが印象的だ(単に「「あなた」がしっかりしていないと別れるぞ。」と言われているだけ、という鬼のような可能性もあるが……苦笑)。

 まず主人公は「あなた」が多忙な人であることを「でも I know I know Iknow 忙しいのは解ってる」「たまにしか会えないから 四六時中とは言わない」といった歌詞で触れているので、全くのわがままで「あなた」「もっと気にして」だの「たまには 星を掻き分けて 会いにきて!」だの「もっと愛して」だの「好きって言って!」だの言っているわけじゃないのは分かる。要は何らかの形で"証"が欲しいのだろう。

 それを最も端的に表す歌詞は「女の子はね 大好きな人の一言で Happyになれるものなのよ ねぇ 気づいてる?」「"会いたかった""寂しかった"とか 私 言われなきゃわかんないよ! ホントの気持ちなんて」「あなたが思うほど 強くなんかない」だろう。
 だが前述した様に主人公はわがままで甘ったれて弱さをひけらかしているわけではない。その証としてダンエモンが注目しているのが「動き出す 走り出す 二人のルーレット」という歌詞である。
 冒頭ではこの「ルーレット」を動かすのはタイトルにも歌われている「power of love」であることを明言しており、つまりは主人公が恋とは二人でするものであることを忘れていない所に主人公の赤裸々な心がある。

 わがままを連発しつつ、それでも相手を思い遣る気持ちも忘れず、それら全ての根底が愛に端を発している姿を見て、改めてダンエモンは真夜ソングには「こんな女に愛されたい……。」という気持ちを与えられることを思い知らされた。


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平成二三(2011)年三月八日 最終更新