PRECIOUS PLEASURE

作詞 大黒摩季 作曲 大黒摩季 編曲
解説 背景が見えにくくても主人公の意志と希望が分かり過ぎるくらいに分かるこの曲は大黒摩季さんのアルバム『HAPPINESS』の8曲目に収録されている。
 タイトルの「PRECIOUS PLESURE」を直訳すると「貴重な喜び」で、それが恋への喜びである事はこの曲を一度拝聴するだけで充分だろう。そして「時を越えて 君の心に 本気で飛び込むよ」という決意溢れる歌詞に、「願いよ 届け」「夢よ 叶え」という願うと言うより叶う様に命じる歌詞が主人公の意志と願望の強さを気持ちいいぐらいに表している。
 注目すべきは主人公の目指し、求める「PRECIOUS PLESURE」が主人公のみのものとせず、愛する人との共有に夢を抱いている点に在る事で、言い換えれば「PRECIOUS PLEASURE 愛に 気づいて 君が探してた ものはここにあるよ PRECIOUS PLEASURE 星よ 降り注げ 欲張りな瞳にPRECIOUS PLEASURE」に凝縮されているとも言える。
 そしてそれに並んで注目されるべきは「YES I'M ALWAYS DREAMIN'」 という歌詞の連呼に見られる、夢見る自分自身の肯定と自分自身への呼びかけで、それはさながら自己暗示とも取れる。
 逆の視点から見ると「愛のクオリティーは誰にも負けない」「飾られるだけの思い出・・・ じゃ嫌だ」という否定の文章も、否定形でありながら強力な意思を示す文を綴っているところにも主人公の決意がある。
 とにかく主人公の意志の塊がこの曲の歌詞であり、肝でもある。
 さて、この曲が収録されているアルバム『HAPPINESS』の収録曲の解説を道場主はリリースから1ヶ月以内にアップしたのだが、この「PRECIOUS RLEASURE」のアップのみが半年近くの間が空いている。
 道場主に思う所があって、解説の中に書きたい事柄が二転三転したのだが、ようやく気持ちの整理がついた胸中に渦巻いているのが「何度も諦めた 何度も好きになった ただ近くにいることしか出来なかったけれど 君が望むものが悲しませるものがわかったんだ 愛のクオリティーは誰にも負けない」の歌詞である。
 「ただ近くにいる」事が困難な時の苦悩は「You are not mine」「うそつき」にも見られるが、道場主も詳しく言えないものの側にいられない事に苦悩する深みと無縁でいられない日々を送った。諦める事は簡単な様で難しく、本音は分かる様で分からない。だからこそ苦しむ事が分かればその苦しみから逃れる事と敢えて飛び込む事のどちらを採るべきかの答えは自分の中にある。  だが事を困難たらしめているのは恋愛が自分一人だけで行うものではない事にある。恋愛の困難さと何故に苦しむかを認識した時に相思相愛を何の迷いもなく喜べる事が如何に「PRECIOUS RLEASURE」であるかを思い知った気がした。


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