最初の恋最後の恋

         作詞 椎名恵 作曲 椎名恵 編曲 倉富義隆
解説 椎名恵さんのフォースアルバム『29〜Twenty nine ダブルコンチェルト』とのトリである10曲目、15thアルバム『S』では9曲目に収録。また道場主はバラードコレクションのアルバムでも所持している。女性の恋に対する心構えを歌ったものといえるだろうか?
 また少女や若い過ぎる女性にはもち得ない大人の女性の持つ深みを「10年」という歌詞が感じさせてくれるのもこの曲の特色である。「19の夏」そしてその「10年という時が過ぎ」た後にそれぞれの年代に対する椎名さんのこだわりが見られ、収録されているアルバムのタイトルともマッチしているのも見逃せない(笑)。
 視点を変えると主人公が「ただ激しささえあればよかった 19の夏」「最後の恋」としていたのが、「女はいつでもその時が全て そばにいる人が最後の恋」としているところに、若さに任せた激情の頃を昇華して常に新鮮な気持ちを保ちつつ、生きているその時を最も尊いものとして全力を尽くして恋に賭けている様が静かながらも情熱的である。助平でしか激しさを量れないガキどもに聞かせてやりたいものである(笑)。
 まあもっとも絶賛するだけでなく、この曲には女性のもつ弱さに触れていることも見逃してはならない。「今になれば 押される様に恋をしてる 私がいる 慣れてしまう事が怖いから もうこれきりだと言い聞かせて」とあるが、その時その時に全力を尽くすのは失う事への怖さにも裏打ちされているといえるだろう。
 最初の恋と最後の恋が常に背中合わせであることに言及してこの解説を締めたい。


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