桜舞い降りる頃、涙色 feat.nanase

作詞 相川七瀬 作曲 岡本真夜 編曲 十川ともじ

解説 岡本真夜さんのデビュー20周年記念アルバム『Mayo Okamoto 20th anniversary ALL TIME BEST〜みんなの頑張るを応援する』の13曲目に収録。

 元々は相川七瀬さんに楽曲提供された曲で、歌詞を相川さん、曲を真夜さんが手掛けた。ダンエモンはこの曲をアルバムリリースの前年にライブにて聴いていたので、待ちに待ったリリースでもあった。
 真夜さんと相川さんはママ友仲間で、息子さん同士も同い年で、家族ぐるみの付き合いがある。ちなみにママ友仲間には他に千秋さんや、華原朋美さんがいる。四人並ぶところを想像すると壮観だな(笑)。

 歌詞内容は全体としては、過去の戻れぬ恋を惜しむ内容になっている。とはいえ、想いは互いに持っている上に、その気になれば触れあえる様で、「どんなに強く抱き合ってみても ひとつにはなれないから」「どんなに強く惹かれ合ってても ひとつにはなれないから」といった歌詞から、心まで過去と同じ様には在れない状態にあるのが独特である。

 推測するに、過去において真剣に、そして「無邪気に」愛し合っていた「2人」は、相手が傷つかない様に「優しい嘘」を伴う別れ方をしたのだろう。
 そしてその後も会ったり、触れ合ったりは出来るが、恐らくはその関係は許されない関係を承知の上で、「儚い夢の後先」「明日にはぐれて」「ひとりきり散りゆく花びら」の歌詞に表現されるような刹那的なものなのだろう。

 はっきり書かれない微妙な距離感が何とも言えぬ味わいを出す歌詞である。はっきり言って、ダンエモンが相川七瀬さんの歌詞を解説するのはこれが初めてなので、どこまで正しい読みができているか自信が持てないが、相当な執着ははっきり感じ取れる。

「どんなに強く」「傷ついて失くした時の欠片」「愛すれば愛するほどその声も髪もそのぬくもりも」の歌詞に、一時的にしか保てない恋に執着する心が見えるのだが、特に「愛すれば愛するほどその声も髪もそのぬくもりも」には、シチュエーションが全然異なりながら「この星空の彼方」が思い起こされる。
う〜ん……そう考えるのは仏教徒のくせにダンエモン自身執着の強い男だからかな?(苦笑)

 ともあれ、あってもまた離れざるを得ない桜の開花に重ね合わせた惜別の想いと多少暗めでもたゆたうリズムとのハーモニーが何とも秀逸である。

 「夢うつつ揺りかごみたいに 始まれば終わりに向かい時を刻む」とある様に、森羅万象は不動ではない。始まったものは必ず終わりの時が来る。だがそれが次の始まりであることもまた事実である。
 次の始まりの為に不要な破壊や週末を為すことダンエモンは好まないが、それでも新たな始まりや、巡り来る再会は大切にしたいと思う。

 そう、どんなひどい大災害が起きても、春にはまた「桜の花」が咲く様に………。


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平成二七(2015)年八月九日 最終更新