SAVING ALL MY LOVE FOR YOU

作詞 Michael Msser/Gerald Goffin 作曲 Michael Msser/Gerald Goffin

訳詞(by道場主)

 人目を盗む僅かな時間だけを私達は共有している
 あなたは家庭を持ち、家族に必要とされている
 あなたの手首の内にあるのも最後、と抵抗するが、
 しかし誰も他にそうしたいと思わない。
 だから愛のすべてをあなたの為にとっておく。

 全くの一人で生きるのはそんなに簡単なことではない。
 友達は自分だけの男性を見つける努力をし、私にもそうしろ、と言う。
 しかし私は試みるその度に、落胆し、泣き崩れる。
 家で憂鬱を囲っている方がいいから、
 だから愛のすべてをあなたの為にとっておく。

 あなたは以前私に共に逃げようとと言った。
 愛は自由になる権利を私にもたらした。
 あなたは我慢強くあれ、と言い、ほんの少し待っているだけ。
 しかしそれは古き幻想に過ぎない。

 準備ができ、それからほんの2,3分。
 あなたがドアを通り抜けて来た時の古き感覚を取り戻す。
 今夜は万事よしと感じる夜だから、
 私達は夜を通じて愛し合うだろう。
 だから愛のすべてをあなたの為にとっておく。
 そう、愛のすべてをあなたの為にとっておく。
 そう、愛のすべてをあなたの為にとっておく。

 あなたをもっと愛せる女性なんていやしない。
 今夜は万事よしと感じる夜だから、
 私達は夜を通じて愛し合うだろう。
 だから愛のすべてをあなたの為にとっておく。
 そう、愛のすべてをあなたの為にとっておく。
 そう、愛のすべてをあなたの為にとっておく。
 あなたの為、あなたの為に。



解説 大黒摩季さんの初のセルフカバー・アルバム『LUXURY 22-24pm』の初回限定版に付属されているDisc2のトップバッターに収録。
 アメリカのシンガーソングライター・ホイットニー=ヒューストンさんのセカンドシングルをカバーしたものであり、「すべてをあなたに」という邦題があるが、正直、洋楽に疎いダンエモンにはさっぱり分からない(苦笑)。何処かで聴いたことあるかどうかの記憶さえ定かではないから無知もここまでくればたいしたものである。


 拙い英語力を駆使し、前半部は訳が判らない和訳となったが、それでも家族のある男性と不倫関係にある女性が、相手の立場と自分の欲望の狭間に苦悩しつつも、そんな複雑な立場だからこそ持ち得るすべての愛情を愛する「you」の為にとって置きたい気持ちが、タイトルを始め、歌詞の締めとなる各所にて繰り返されている。


 言葉悪く言えば、この曲の背景にあるのは不義密通である。この不倫を「your family」が知っているかどうかは定かではないが、必要としてくれる家族を持ちながら、run away together」=「一緒に逃げよう」等と考えていたのだから、「you」の背信は褒められたものではない。


 道場主は過去において何度か彼氏持ちの女性に言い寄る、つまりは横恋慕を繰り返したが、その都度、「彼氏と別れるまでは、相手がその気になっても抱く訳にはいかない。」、「彼女に不義は働かせるまい。」と、全く無用の心配をしたことがあったが、やはり背徳を悲しむ人のことを考えれば、不倫も不義密通も好ましい行為ではない(相手がこちらに好意を抱いた場合にダンエモンがそれを行わない保証は全くないのだが)。
 だが、本来許されざる不義の時間だからこそ、限られた時間に自らが持ち得る愛のすべてを取っておきたくなる気持ちはなんとなく分かる。
 不義密通とは異なるが、ダンエモンは過去に遠距離恋愛を経験しており、会える時間が少ないからこそ、僅かな時間を惜しむように愛し合った記憶がある故に。


 すべての想いを「saving」して、捧げるからこそ、不義の時間でも、交わされる「love」の根底は清らかである、と信じたいものである。


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平成二一(2009)年四月二〇日 最終更新