Sea's Barでもう1度
解説 椎名恵さんの6thアルバム『C'est la vie』の7番目に収録されているこの曲をダンエモンは1999年12月24日のモーダ・ポリティカのライブで聴いた事がある。「海辺のSea's Bar」というシチュエーションが否が応でも特色を醸し出す。
「ル・ポールはさよならの港」でも見られる「彼女=主人公」の図式がここにも見られる。「彼女」=主人公は「昔愛した男性にそっくりな」彼と目当てが決まって折り、「背中に空しさを 隠した男達」では相手にならない、と断言しているような流れが笑える(笑)。深酒に癒しを求める人生に疲れた野郎どもでは役者が不足しているといった所だろうか?
それにしても主人公は随分なギャンブラーである。「彼女は賭を決めている」と断言されているが、「彼」は単に「昔愛した男性にそっくり」なだけで、それも「海辺のSea's Bar」にいつも現れるとは限らないのである。雲を掴むような話である。
成る程、「ここでもう1度彼に会えたなら 今までの過去捨ててもいいじゃない 忘れかけてた恋のときめきを 思い出す」となり得るだろうし、「もう1度だけ愛する勇気を 思い出す」こともできる事だろう。
舞台となっている「海辺のSea's Bar」はどうも出会いを求めるスポットにもなっているようである。「やさしすぎない 気の利く Bartender」には妙な場慣れを感じる(笑)。道場主はBarよりも赤提灯の居酒屋が好きなのでなかなか恋愛対象とは出会えない(苦笑)。確かに舞台を設定する当たり主人公はもとより出会いを求めていた感がある。そこに「昔愛した男性にそっくり」な人物が現れるのを人生の偶然と受け止めて飛びこむか皮肉と見て避けるかは個々人の主観に依存するところだが、そういう観点からもこの歌は人生の面白さを教えてくれるような気がする。
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