制服の夏

         作詞 岡本真夜 作曲 岡本真夜 編曲 十川知司
解説 ファーストアルバム『SUN&MOON』の4曲目に収録されているこの曲は「世界で一つしかない手袋」同様に学生時代が舞台となっている。
 「海が見える駅」「海へ導く小道」「潮風」「海鳥の声も 波の音も」「ピンクの貝殻」といった海に関連した歌詞から岡本真夜自身が学生時代を過ごした地元・高知が舞台になっているような気がする(未確認)。ちなみにダンエモンには片想い・両想い含めて愛しい人と海辺をともにした記憶はない、川辺はあるのだが(苦笑)。ましてや制服で歩いた海辺は高校の修学旅行で沖縄の海岸を歩いて以来のことであるからして随分縁遠いシーンを羨望することになる(再苦笑)。ちなみに海を舞台にしているという点で見れば「海へLet's Go」がある。
 舞台である学生の立場を慮ってか(笑)、この歌の歌詞はプラトニックというよりシャイですらある。「指先が触れる度 ときめいて とまどって 一言も話せない ただ夏のメロディーだけ聞こえた」「あなたの横顔 見つめる程 まぶしくて」「夕陽と口づけした海 頬を赤く染めている」といった歌詞にそれは表れている。
 少し話は逸れるが、とあるライブ(たぶん「1998Helloツアー」か「1999魔法のリングにキスをしてツアー」でこの歌が歌われたときは真夜さんの「YOU ARE MY SNUSHINE」の掛け声でそれに対する観客の歓声と供に始まった事がある。明るい日差し溢れる夏の日を背景にしたこの歌らしく曲の流れやステップは軽快で、リズミカルな曲のノリが目立ってしまう。だが、この曲にも歌詞・曲供に心に響く重厚な部位はある。それがダンエモンが最も気に入っている、「まだ始まったばかりの恋 胸に響くあなたの声 夕陽と口づけした海 頬を赤く染めている」である。
 まるで結婚式における新郎新婦の口付けのようなある種の誓いじみた物を感じるのは私だけだろうか?日常の些細なことに幸せを感じる歌詞が多いのは真夜ソングの特色だが、その根底のこのような秘めたる誓いや誇りがあるからこそ小さくても確かな喜びを感じられるのかも知れない。


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