シ・テ・シ・テ
解説 アルバム『POWER OF DREAMS』に13番目に収録されている曲で、背景にあるのは「彼氏の浮気」である。これまたダンエモンにはコメントしづらい境地である。「浮気」以前に「相思相愛」の経験がないのだから(苦笑)。
道場主のホームページ制作の未熟さからこの「シ・テ・シ・テ」は正式なタイトルで表示されていない。実際には「シ・テ・シ・テ」の後にスペード、ダイヤ、クローバー、ハートの記号が続き、歌中ではこの四つの記号は「完全犯罪」と発音されている。
その題名の如く主人公は浮気しているのでは?と疑わしい彼に対して、もし浮気なら「完全犯罪」にして欲しいと願っている。
この「シ・テ・シ・テ」に限らず、摩季ソングは概して彼氏の浮気に対して寛容である(真の愛情が自分にある、と言うことが条件ではあるが)。これまたダンエモンには理解し難い面がある。
否、理解し難いというより実感が沸かないといった方が正確である。根が嫉妬深いと言うこともあるのだろうが、ダンエモンは恋愛関係に陥った以上は浮気は勿論、恋人以外の異性との接触は極力控えめにするべきであるとの古い思想を捨て切れずにいる。出来るならもてない女でいて欲しいとさえ思うのである。
これがダンエモンの愛情ではなく、独占欲によるものだとすると改めねばならないとは思うのだが、付き合ってもいない惚れた女が彼氏とラブホテルから出てきたところを目撃した(実話)時にあれほど嫉妬の炎を燃やした記憶を辿ると、正式に付き合っているのに自分以外の異性と恋人としかしないようなことをされると冷静でいられる自信は皆無に等しい。
まあ、ダンエモンの私見はこの際置いておくとして、この歌の主人公は最後で「モテる人でいて 優しいままで 変わらずにいて わがままね私っっ…YEAH!」と結んでいる。
惚れた男には恋人持ちでももてる人でいて欲しいが、それでいて自分だけを愛してほしい、浮気するなら絶対ばれない様に、と語る歌詞を見事に締めくくり、そんな自分を「わがまま」と認めている。確かに虫のいいことを考えているわがまま者である(苦笑)。
もっともも同じ状況ならモテつつも自分以外の人間に見向きもしない愛を相手に求める俺の方がわがままかもしれない(苦笑)。だが、個人の名誉の為に言っておくが、俺は相手にそんな一途な愛を求める以上は俺自身相手に対して同じ愛を貫く覚悟である。
ええいっ、さっきから私見が多くて解説になっていない!コホン…、改めて、別の観点から見てみよう。勿論浮気されることは面白いことではない。それが想像の域を出ないとはいえ、疑ってしまう時点で何らかの要素があり、無実だとしてもその要素が気に食わないのは当然である。
その悩みをぶつける相手として、「Brother」と「Sister」が出てくるわけだが、この両名は教会の修道士だろう。真言宗とのダンエモンとしては和尚・尼僧ではいかんのか?と思うのだが、しっくり来ないのはわかる(苦笑)。
そして相談を持ち掛けつつも結局は心底に「彼が好き」との大前提があり、最後には彼氏に完全犯罪の成立を望むにいたるのが、誤魔化そうとして、偽れない本音の露出がこの歌のいいところであるといえよう。
最もよく本音が表れている歌詞が、「Sister」に「浮気する男なんて 捨ててしまえっっ!!」と言われたことに対して「私の気持ちは何処なの?」と返していることところだろう。彼に惚れている本音は初めから終わりまで全く動かない事実なのである。
浮気をされて「苦しい」、「辛い」と感じるのも相手に惚れていればこそ、愛していればこそであることを改めて教えてくれる一曲といえる。
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