週末に彼がいる

         作詞 椎名恵 作曲 椎名恵 編曲 戸塚修
解説 素晴らしい心地よさに満ちたこの歌は椎名恵さんのセカンド・アルバム『Le Port』の四番目に収録されている。またバラードコレクションにも収録されている。
 この曲の魅力は大きく分けて三つ。一つは多忙な「あなた」の癒しとなっているところ、二つめは派手さがなくとも二人が供にいられることに無上の喜びがあるところ、三つ目は歌詞から推測して「あなた」より年上と見られる主人公が大いなる包容力を持って接しているところ。特に三つめは年増好みのダンエモンにはたまらんシチュエーションである(笑)。
 一つ目を表す歌詞が「人並みに負けて 疲れた心を ひきずって ドアを叩いても あなたには 両手を広げて やすらぐ 海になるわ」で、二つめはサビの「いくつもの 恋をしたけれど 誰よりも 一番 あなたが好きよ 抱きしめて こわれないように 私の週末 あなたがいるように」。三つめを表す歌詞は「この胸に 顔をうずめて やわらかな夢を見て」に尽きる。椎名さんの「胸に 顔をうずめて やわらかな夢を見」たいものである(笑)。
 そしてこの三つを集約してさり気なく幸せを謳歌しているのが「こんな日は 不思議だわ 風さえも やさしいから」であろう。周囲にある何気ないものに対していとおしく、やさしく、爽やかになれる。人間にとって得がたくて、それでも心持一つで得ることの出来る不思議な幸せである。
 曲の流れのせいもあるのだが、主人公と「あなた」が距離的にかなりべたべたする近さにあるにもかかわらず、全然いやらしさを感じさせないところにも注目したい。これは「一緒にいよう」にも言える。椎名ソングには結構艶かしい表現も出てくる。勿論プラトニック一色の歌もある。その双方を書ける椎名さんが互いの長短所を昇華してこういう詞が存在するのは本当に素晴らしいことだと思う。


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