SOMEDAY

         作詞 佐野元春 作曲 佐野元春 編曲 大黒摩季とフレンズ
解説 大黒摩季さんがボーカル、建部聡志氏がキーボード、真矢氏(LUNA SEA)がドラムス、恩田快人氏がバス、土谷公平氏がギター担当のバンド−大黒摩季とフレンズのアルバム『COPY BAND GENERATION VOL.1』の6曲目に収録。
 原曲を歌うのは佐野元春氏。大変有名なミュージシャンなのに道場主は彼の事を何も知らない(苦笑)。佐野さんファンの方、だからと言って剃刀など送らないで下さい(苦笑)。道場主にだって聴けば知っている歌もあるはずですから、それが佐野氏の物であることを知らないだけで…。
 タイトルのもある「SOMDAY」とは日本語で「いつの日か」。道場主が初めてこの英単語に触れたのは余りにも有名なジョン・レノンの「Imagine」の「I hope someday you will join us. And the world will be as one(私はあなたが我々の仲間となる事を希望する。そうなって世界はひとつになるだろう)」である。道場主は同曲のこの歌詞に強く心を打たれた故にこの英単語の印象は強い。
 話は逸れるが「神王伝説クリスタニア」という小説ではシェールというダークエルフ(妖精族の一種)が神との戦いでトランス状態に入った愛する漂流王の勝利の時を待つ日から自らの名乗りをシェールとしたが、この「シェール」とはダークエルフの言葉で「いつの日か」という意味である。つまり英語では「Someday」であり、このダークエルフの待望の大きさがうかがえる。
 勿論この「SOMEDAY」もタイトルに偽りはなく、いつの日かやって来る未来を見据えている。特に興味深いのは流れとして散々過去を語りつつ、今現在は失われている当時の幸福の再来を呼びかけていることである。
 サビの直前で「だからもう一度あきらめないで まごころがつかめる時まで」と待望の意を露わにしているところが嫌でも(←勿論全然嫌じゃない)この曲を盛り上げる。
 歌詞の流れから見るとこの歌の主人公並びに恋人と思われる「君」は若き日にかなりやりたい放題やっていたようである。否、やりたい放題には語弊があるな、思いのままに生きていた、という方が的確かな?
 心地いいのはその失った過去を愚痴ったり、悔やんだりするのではなく、必ず呼び戻す、もう一度その手に掴む決意を高らかに歌い上げているところで、それを端的に表す歌詞は言うまでもなく、サビの「Someday この胸にSomeday 誓うよSomeday 信じる心いつまでも Someday…」である。
 別の視点で注目したい歌詞は「いつかは誰でも 愛の謎が解けて ひとりきりじゃいられなくなる ステキなことはステキだと無邪気に 笑える心がスキさ」である。自然と人と人の心が触れ合える喜びが素直さを伴って歌われているのが何とも言えない。
 殊に「ステキなことはステキだと無邪気に 笑える心がスキさ」は他の人を持って来て恐縮だが、ダンエモン的には椎名恵さんの「ささやかな喜び」「Rolling days きれいなものを Stayin' still きれいなんだと 感じられる今が好きよ」の歌詞を彷彿とさせられる。
 簡単に言ってしまえば人間素直さが一番、ということだな。摩季さんも「Rainy Days」「素直な私の笑顔 一番好き」と歌っているし(笑)
 ともまれ、神仏でも宇宙人でも幽霊でもUMAでもそうだが、未来もまた目に見えない故に信じるのが難しいものである。それを躊躇いや迷いを全く見せず「そのときまで」と言い切れるのは素直さと同時にそれに劣らぬ幸福を求める飽くなき探究心にあるであろう事を述べてこの解説の締めとしたい。

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