そのままの君でいて

作詞 岡本真夜 作曲 岡本真夜 編曲 小川知司

解説 岡本真夜さんのフォース・シングル曲で、アルバムではサード・アルバム『Smile』のトップと、ベスト版アルバム『RISE Ⅰ』の4曲目、『All Album Selection Best My Favotites』のトリである17曲目、デビュー20周年記念アルバム『Mayo Okamoto 20th anniversary ALL TIME BEST〜みんなの頑張るを応援する』の3曲目に収録されている。

 ダンエモンにとって、真夜ファンとなるきっかけになった曲である。
 そのきっかけとは平成9(1997年)冬、宮城県仙台市においてのことで、当時勤めていた会社の出張で仙台駅近くのホテルで二泊した折、TVの深夜番組でこの曲のプロモーションビデオの映像を連夜で見たことに端を発している。
 それまでアルバム『SUN&MOON』のジャケットにある真夜さんしか知らなかったために満面の笑顔の真夜さんに「こんな一面もあったのか…。」と呟いていた自分の様は今でもはっきり覚えている。

 では解説本題には入ろう(笑)。
 簡単に云えば再会を楽しむ曲である。「一年ぶり」「夕べの電話 寂しそうにしてた」「みんなで過ごした この街を忘れないでね」「帰っておいで」といった歌詞からは「君」が故郷を離れていて、主人公とはなかなか会えないこと、一年ぶりの帰郷、どうも学生時代(?)のグループでの付き合いがあった、等の背景がかなり明らかである。
 一方で想い人を「君」と呼ぶ主人公の心情が些か不鮮明である。年齢はタメと思われるが、「君」と呼ぶところを見ると恋人同士と考えるには些か違和感が感じられる。取り様によっては女教師と教え子にも取れなくはない。

 さて、コアとなっているのはタイトルにある通り、「そのままの君でいて」との想いである。
 人間は変わるものである、多かれ少なかれ、良くも悪くも。まして長く会っていないとその変化には些細なことでも驚かされることが往々にしてある。その変化が好ましいものか、好ましからざるものかは時と場合にもよるが、愛情抱く相手の人間としての基本的な部分は不変であって欲しいとの想いは誰しも同じだろう。
 だからこそ、弱い気持ちになったとき、共に過ごした日々を忘れさせない為に、共に過ごしたときの二人でいたい為に、「ずっと心に そっとその胸に みんなで過ごした この街を忘れないでね 自信がなくなったり 疲れた時は いつでもいいよ 帰っておいで」となるのだろう。
もし関東で一人暮らしをしていた時代のダンエモンの両親がこの歌の存在とその歌に対する私の想いを知れば、故郷にそういう思い出を語らえ、そのために帰りを待ってくれる想い人がいてくれればいいのに、と思うことだろう(苦笑←勿論そんな人は存在しない)。

備考
 平成22(2010)年、上海万博において、PRソングがこの曲と非常に酷似していて、盗作疑惑騒動となったが、同年行われたデビュー15周年記念ライブにて真夜さんから、「この問題は事務所に一任し、自分はアーティストとしての活動に専念する。」と宣言されたので、ダンエモンも事件の詳細については当サイトにおいても言及しないことにしています。
 ただ、厳然たる事実として、この騒動が皮肉にも真夜さんへの世間の注目を高めた。
 折しも、当時メニエール病を病んでいた真夜さんは引退すら考えていたのだが、騒動を通じて多くの人々の思いを受け止め、シンガーソングライターとしての活動を継続することを決意し、騒動の直後、急遽、ボーナス・トラックとして、ベストアルバム『My Favorites』のトリである17曲目にこの「そのままの君でいて」が収録され、ライブでも歌われることが増えた。
 世の中、本当に皮肉なものである。



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令和六(2024)年五月九日 最終更新