作詞 大黒摩季 作曲 大黒摩季 編曲 葉山たけし


解説 アニメ『中華一番』の主題歌に使われたこの歌は17番目のシングル曲であり、アルバムでは『POWER OF DREAMS』の7番目に収録されている。残念ながらダンエモンは『中華一番』を知らないので、アニメの主題歌としての論評は出来ないが、主題歌に使われていたためにファンになる前にこの曲の存在を知り得ていたのは事実である。
 たまたま『中華一番』でこの「空」が流れているのを目にした時に「ああ、大黒摩季の声だな…。」と思ったことがある。
 この曲がリリースされた三ヶ月後に摩季ネェファン・道場主が誕生する(ダンエモンの変名を名乗るのはその更に二年後)のだが、このときには心の何処かで既に摩季ネェに惚れていた気がしないでもない。

 さて、歌詞の方だが、失敗だらけの果てに退屈ではあるが落ち着いた日常を振りきって、人生のリトライを叫ぶ内容で、目指す先の比喩に、この歌のタイトルである「空」を持ってきている。
 タイトルと云い、内容と云い、何処か「太陽をつかまえにいこう」がダブる。比較すると、この「空」の方が「早く立ち上がらなくては…。」という雰囲気を強く漂わせている。
 「今度だけは見過ごしちゃいけない気がする」「今なら海へ向かうバスに間に合う」「一度しかないLife」といった歌詞にそれが表れている。難を云えば何処に向かっているのか?何をしようとしているのか?の目的が定まっている様で、しかし聞き手に伝わってこないのが少々残念ではあるが。

 最後に紹介しておきたいのは「傷つけたくない じゃなくて傷つきたくないだけ」という歌詞である。
 4つ前のシングルにして、同じアルバムに収録されている「あぁ」にも似た歌詞(「あれは身を引いたのか それとも逃げ出したのか」)があるが、物事の決断を決めかねている時に、殊に恋愛の進退について窮まっている時に、終了の決断をするときにはそれが勝ち目のない勝負に傷つくことを恐れた自分を庇う行為なのか?それとも進展が見込めない以上相手を傷付けるだけの行為になるのを恐れ、相手を思って身を退くのか?逆に、勝負を続行するときには、相手に対する執着を捨て切れない自分の我が儘であり、相手の気持を顧みない行為を続けているのか?それとも相手に対する愛情の強さが勝負を続行させているのか?本当に思い悩むところで、ダンエモンにも経験はある(ずばり横恋慕がそういうケースに当てはまる)。ウーム…奥が深い…。

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令和四(2022)年六月六日 最終更新