作詞 岡本真夜 作曲 岡本真夜 編曲 建部聡志
解説 岡本真夜さんのフィフス・マキシシングル「かけがえない人よ」のC/W曲で、9thアルバム『再会〜君に綴る〜』の8曲目に収録。最初にタイトルを見た時は大黒摩季さんの同名の曲を連想したが、勿論無関係(苦笑)。ただ、このマキシシングル収録の両曲の編曲担当が武部聡志氏であることには大変驚かされると同時に真夜さんと摩季さんの共通点を見つけたようで何となく嬉しい物がある。
 摩季さんの「空」が空の雄大さに託す未来を歌っているのに対し、この「空」では常に昼に「太陽」が輝き、夜に「星」が輝く不変性に愛する「あなた」との未来を描きたい気持ちが歌われている。
 不変性を示す歌詞として「見上げた空には 輝く太陽 いつも変わらず 照らしてくれているから」がある訳だが、どんなに時代が変わろうと必ず「空」にやって来る「太陽」「星」の確かさに「あなたが願う未来」を重ねたい気持ちが何とも心地いい。
 注目したいのは「泣きながら ぼくらは生まれてきた」である。この曲のA面「かけがえない人よ」は我が子に母性愛を込めて呼びかける歌詞になっているが、この曲で歌われる「あなた」は夫とも彼氏とも我が子とも取れる。しかし、歌詞の内容を見ると我が子が最もしっくりと来る。
 勿論人間誰しも生まれて来る時は赤ん坊であり、誰しもがその瞬間に産声を上げる。ある意味、「泣きながら」生まれて来るからこそ、「傷ついて 失って」「譲れないもの」の為に強く生きることの意義というものが殊更重んじられるのだろう。
 「太陽」「星」という「空」に輝くものに比べて、その下で這いずり回る人間は矮小にして、「儚き」存在である。しかし、「儚き」存在であるがゆえに「夢」「未来」も多いなる希望を託し、大きな意義を持って挑めるのかもしれない。
 たとえちっぽけな存在でも大きな意志を抱いて悪い法もいわれもない。かなわない存在でも大いなる「空」とは目を逸らさず、向かい合って生きて行きたいものである。


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