素晴らしい世界
解説 アルバム『RHYTHM BLACK』の12番目収録曲であるが、これに続く2曲が先にマキシシングルで世に出ていたことを考えるとアルバムのトリと言えなくもない。
四字熟語で表現するなら「前途揚々」という言葉を思い起こさせる希望に溢れた曲である。他の曲と比較すれば「泣かないでよ」や「そして」が彷彿とさせられるが、それらよりもこの曲は明るさに溢れている。
リスタートの曲に相応しく過去への回顧が殆ど感じられない。無視しているとさえ言える。穿った物の見方をすると、何もなかったからこそ、「これこそ探し求めてた生き甲斐!とか 一生に一度くらい感動で震えてみたい」や「そんな初めての旅に出かけよう」といった歌詞が生まれている様にも思われる。
注目したいのは「人はみんな何かを持って生まれて来る それがどういうものなのか わからないまま今日まで来てる もしもまだ開花していないだけなら 色んな場所へ行って刺激を受けて 輪郭だけでも感じたい」である。「Just Start Again」の「人は皆 迷いながら 道を見つけて行く 私にしか出来ない生き方があるはずだから」の歌詞に通づる者があるが、「Just Start Again」が自分一人の決意に対して、この曲は周囲にも呼びかける様に歌っているところも目が離せない。
最後に触れておきたい歌詞は「素晴らしい世界がわたしを待っている まだ知らない知りたいことがある限り道は続く まぶしい光り降る未来へ出かけよう」である。人間は未知なるものには憧れや期待を抱くと同時に恐れや不安を抱くものでもある。それは未来・将来も同様だろう。そんな時にはこの歌詞を思い出そう、と私は思う。
摩季の間へ戻る