スキなんだもんしょうがないジャン

作詞 大黒摩季 作曲 大黒摩季 編曲 葉山たけし


解説 シングル「Harlem Night」のカップリング曲で、アルバムには収録されていない曲である。さすがに摩季ソングの中では有名な方ではないし、ダンエモンの中でも印象の深い方ではない。
 逆に話題に上らないことが多いからこそ論述する楽しみがあるとも云える(笑)。人が触れないことに触れるのは気分がいい(笑)

 ごく日常的に見られるオフィス・ラブをテーマにした歌詞になっている。しかも舞台である会社の設定が凝っている。
 「社内恋愛 厳禁な我社」「グレードの低い 仕事になる そう思いませんか? 部長!!」といった歌詞にそれらが表れている。舞台が社内だけに恋愛のやる気と仕事のやる気を併せて歌詞に盛り込んでいるのが何とも興味深い。

 話が逸れるが、社内恋愛はなかなか厄介なものがある。公私混同の問題がどうしても伴うからである。業務上他人として振舞っていても周囲が認めないときがあるし、うまくいっている時はいいが、破局が訪れるとそれでも互いに顔を合わせざるを得ない状況に置かれる可能性も大である。
 本当に好きでないと踏み切らない方が無難であり、ありとあらゆるリスクを業務に持ち込むことも覚悟しなければならないといえるだろう。それこそ「イケナイ 恋と知っても 止めらんない情熱に 流される」状態にこの歌の主人公はあるのだろう。

 誰しもリスクの大きいことはしたくない。それでもリスクに向かうのは何としても手に入れたい想いがあるときということになる(正確にはリスクと手に入れたい物を天秤にかけて、手に入れたい物に傾いたとき)。確かにリスクを無視できる程デカイ何かに向かいたいとは思う。
 歌を聞いていて自分に共通するところがあると共感する面も大きい。それがこの歌の主人公が横恋慕をしていると云うことにある。

 ダンエモンも横恋慕に苦しんだ口である。「気合い入れた頃 もはや彼女がいた」という歌詞には妙に同情してしまった(苦笑)。だからこそ余計に「失敗全敗は気にしない 脳天気な My Life 前向きな My Love 上昇気流に乗って」という歌詞には心底声援を送りたくなる。この歌の主人公の後日譚を知る術はないが、その分一つ俺が頑張るとするか…。

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令和四(2022)年六月三日 最終更新