作詞 岡本真夜 作曲 岡本真夜 編曲 西垣哲二&岡本真夜
解説 8thマキシシングル「Destiny」のC/W曲で、同じくC/W曲である「La lumière」が似た曲調の上に、ダンエモンがフランス語の歌詞を聴き取れないため、下手をすると2曲はCDで最初に聴いた時、同じ曲が続いているのか、と勘違いしかけた(苦笑)
歌詞の内容は極めて穏やかさに溢れている。熱愛や、苦難を乗り越えるような力強さは詞・曲ともに皆無で、ただただ愛する人と共にいる幸せを噛み締め、それこそ毎日必ず訪れる日没=「sunset」を当然のように共にするささやかでも貴重な幸せが滲み出ている。
ともすればささやかな願いが叶っている穏やかさに聴き落としそうになるが、実はこの歌詞の主人公と「あなた」はまだ厳密には恋人同士ではない。
それを示す歌詞が、ラストの「ねぇ 好きになっていいかな」なのだが、それでも「迷った時も 泣きたい夜も あなたは包んでくれる」とあるから、推測するに、二人はかなり以前から恋人同然の仲だったのだろう。 それを改めて「ねぇ 好きになっていいかな」と伝えたがっているのだから、ダンエモンに推測される背景は二つ。
一つは二人が幼馴染か、「友達以上、恋人未満」の期間が長く、恋人同然の仲になりながら、それを口にはせずともに居続けたのを、何かのきっかけで常に共にいた二人の関係を見つめ直した主人公が「あなた」に正式な恋人同士としての自覚を促している、というもの。
もう一つは多忙な日常の中で、親愛な仲を保ちつつも、一緒にいる時間を取れなかった故に、そのままの関係を続けることに自信を持っていなかった主人公が久々に二人で日没を迎えるような安らぎの一時に自信よりも願望を取る決意をした、というもの。勿論、完全なダンエモンの推測だが、一応の根拠としているのは「もし 時を止められるなら」の歌詞である。
「時を止め」と聴くと、「With you」を思い出す。如何なる権力者にも、猛者にも、賢者にも、大金持ちにも時を止める事は決して出来ない。そして叶わないからこそ人間はそれを願い続ける。
不可能を求めても仕方がない、と考える人もいるだろう。だが最も大切な人共にある時、時の停止を願うのはそんなに馬鹿げたことだろうか?ダンエモンは人間の最も赤裸々な心であり、不可能であるからこそ口にしたい台詞になるとも思う。止まって欲しかった時が流れてかなり久しい故に、余計にそう感じるのである(苦笑)。
真夜の間へ戻る 平成二一(2009)年一月二一日 最終更新