訳詞(by道場主)
雨が絹糸の様に降っている
夕陽が徐々に落ちてゆく
君が眼の中にやって来る
それは僕が君と逢った最初の夜でした
雨は僕達の肩で跳ねている
そして空々は藤色に輝く
君の唇は雨に濡れ
そして、そう、僕は君の口付けに焦がれた
僕達の間で肩が濡れ
雨の中を歩き通し
商店街の灯は瞬きながら僕達に近づき
君に甘美を僕は感じている
そして街に入るや雨は止み
夕陽は徐々に落ちて行く
しばしの間、僕は君を見つめる
君の両目が星の様に見える
空には一片の雲もなく
夕陽は徐々に落ちて行く
僕達の二つの愛が始まる
君の両目が星の様に見える
君のビーズのようなネックレスが胸の中で輝き
それは雨だれの様。君の胸の鼓動の様に揺れている
僕は君を抱き焦がれる、なぜなら君は甘く美しいから
星空は広がる
僕達はただこの貴重な夜を共にするだけ
僕達二人の愛が始まる
木の葉の蔭の中で、君に口付け
柔らかく、本当に柔らかく、君に口付け
解説 椎名恵さんのセカンド・マキシシングル「空色のドア」のC/W曲で、一緒に収録されている「黄昏のビギン」の英語版である。後にファースト・ミニアルバム『君よ、永遠にあれ』の5曲目にも収録。
道場主の怪しい英語訳もまずは文になっているが(苦笑)、これは原文である和文が既知で、英文自体も平易だからだろう。原曲に即して男の立場で訳したが、「Your beady necklace」という歌詞からも主人公は男性に間違いはないだろう。
歌詞の大意は原曲と殆ど変らず、雨の中での熱い初めての想いを描写したものだが、「aglow with mauve」、「sparkling」、「blinking」といった豊富な語彙と原曲とは異なり、雨の止んだ後があり、「Evening sun sets」から「Starry sky」へ移行した中で今度は「leafy shade」に潜んでのそれと対照的な「tender kiss」が注目される。
暗さや寒さに負けない愛と口付けもまた美しいが、それゆえに美しい背景を求めたくなるのもまた事実である。主人公の求める「beautiful and sweet」は「you」のみに留まるのは余りに勿体無い、との思いが歌詞と曲から伝わってくるものである。
恵の間へ戻る 平成一九(2007)年一月五日 最終更新