例えばそれが愛でもいいと思う

作詞 大黒摩季 作曲 大黒摩季 編曲 葉山たけし


解説 シングル「ネッ!〜女、情熱〜」のC/W曲である。歌詞の構成として落胆している彼氏を主人公が慰め、励ましている内容になっている。
 同じシングルのA面である「ネッ!〜女、情熱〜」と好対照である。この歌詞の魅力はどう語ればいいだろうか?誰かを励ます歌詞の歌は摩季ソングに多く存在するが、この歌ではなくした気力を取り戻す基点を二人でいることと、周囲にごく普通に存在するものにあると歌っている。  「生まれたばかりの緑」「水たまりに映った空」「赤く色付いたつぼみ」と云った自然に脈絡なく触れている歌詞がそれらを表現している。
 例えて云えば、花を愛でる気持ちから落ち着きを取り戻し、気を取り直すことを促している、と表現することが出来るだろうか?

 この歌にも身につまされる、と言うか頭を殴られるような衝撃を受けた歌詞がある。
 それは「自信がないから言葉が増える 強がりは そう 強さじゃない どこに逃げても自分からは逃げられない」である。
 ダンエモンは口から先に生まれてきた男で、男としてみっともないぐらいに口数が多い。この歌詞を聴いて思ったのだが、確かに自らの口数の多さには「自信のなさ」がある。ボクシングで例えて云えばパンチ力の無さを手数で補っているようなものと云える。一言、一言に重みがないから修飾語や感動詞等に頼らねばならなくなる、それはまさしく私自身へのテーマでもある。
 最終的にこの曲の行き着く所は「孤独だけど一人じゃない 心をほどいて 微笑んで」で、本当に大切なことは自分の知っているところ、身近にあるということを改めて思い出させてくる曲である。

摩季の間へ戻る

令和五(2023)年七月一九日 最終更新