Tight Night

         作詞 椎名恵 作曲 渡辺博也 編曲 渡辺博也
解説 椎名恵さんのセカンド・アルバム『Le Port』の9番目に収録されている。何か複雑な歌である。タイトルの「Tight Night」とは文字通り束縛する夜を意味するのだろうが、その束縛の意味が何処か複雑である。
 「部屋を開けたら あなたがいると知ってて」とあるから二人は同じ部屋の鍵を持つ仲なのだろう。そして二人はそこに束縛を感じている。
 現状、「二人の間を低くつたう 空気が 張りつめてく」様な状況でありながら、「孤独の方が楽だと」感じながら、二人は二人でいることを選び、それを「理屈じゃ通らない」事としている。
 恐らく冷めた二人を繋ぎ止めているのは過去の思い出に縋る思いで、「あの頃あなたが 生き甲斐と信じていた」事を「今ではそれも」と愚痴りつつも「言い聞かせ」ているところにその根拠が見られる。
 人間は束縛されることを嫌う。自由を求める。そして自由の背中合せに「孤独」があり、二人でいる背後に多かれ少なかれ束縛がある。
 だが、忘れてはならないのは何物にも縛られないのも自由なら、自らが信ずる何かに縛られることを選ぶのもまた自由なのである。過去の満たされた時にこだわって、「別れる勇気も出せないまま 無駄な夜を過ご」している主人公は不幸にも見えるが、そこまで求める理想を持っているのはある意味幸せなのかもしれない。


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