TOMMOROW

作詞 岡本真夜、真名杏樹 作曲 岡本真夜 編曲 十川知司


解説 云わずと知れた岡本真夜さんのデビュー曲である。今でも「岡本真夜=TOMMORW」と思っている人も多いと思う(真夜さん自身それに悩んだ時期があった、と云っていた)。ダンエモンもファンになる前はこの曲しか知らなかった(苦笑)。
 初出は勿論シングルの「TOMMORROW」でアルバムではファースト・アルバムの『SUN&MOON』と、ベストアルバムの『RISE?』と、デビュー20周年記念アルバム『Mayo Okamoto 20th anniversary ALL TIME BEST〜みんなの頑張るを応援する』のに第1曲目に、ベストアルバム『My Favorites』では11曲目に、収録されている。勿論ライブでも欠かさず歌われる。今でこそ多くの名曲を持つ真夜さんだがこの曲が代表的真夜ソングであることに今尚、変わりはない

 冒頭、中核、終盤を占める「涙の数だけ強くなろう」は辛い事の多い人生を辛いままで終わらさないための勇気を与えてくれる。
 後に続く「アスファルトに咲く花のように」という歌詞と並べて考えると差し詰め、「涙=肥やし」と言える。

 この歌の歌詞の背景にあるのは、辛さを抱えつつプライドや主人公に対する労わりからか、本音を見せれずに苦しんでいる彼氏の姿と、そんな彼氏の本音を感じ、すべてを受け止めて側にいてあげたいと念じる主人公の心の描写が秀逸である。それは何も世界を揺るがすほどの大きな物や一生に関わる重大なものではなく、極々日常の何気ない一瞬一瞬にあるのも見逃せない。
 「季節を忘れるくらい いろんな事があるけど 二人でただ歩いてる この感じがいとしい」という歌詞に、そしてそれに続く「頼りにしてる だけど時には 夢の荷物 ほうり投げて 泣いてもいいよ つきあうから カッコつけないで」はこの歌のコアとダンエモンは見ている。

 決して強い存在ではなくても、英雄や賢者や勇者でなくても、本音に忠実で弱さを認めつつもそれに流されることのない強さの肝要さを教えてくれるのがこの歌の愛される所以だろう。一部のエリートの為の強さなど「人材の強さ」であって「人間の強さ」ではないのだから。


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令和(2023)年七月一九日 最終更新