遠い記憶
解説 椎名恵さんの9thシングル「いつか空に届いて」のC/W曲でOVA『「機動戦士ガンダム-0080-」〜ポケットの中の戦争〜』のエンディング曲である。疑いや生きる辛さに無縁ではしゃいでいた幼い頃を懐かしみ、そんな心を取り戻したがる気持ちを歌った曲で、戦い疲れた連邦軍戦士達の子守唄的要素も持っているのでは?などと考えてしまう。
「嘘をついた夜には 眠れずに 怖かった どんな喧嘩をしても 次の日は 忘れていた」等は正しく御子ちゃまの特権であろう。確かに子供のようなお気楽境地に戻るのはある意味不可能である。しかし忙中閑ありでもないが、そんな時だからこそ「空が 青いこと それが 嬉しくて」という喜びを振り返る事の大切さはこの道場の指南書である『菜根譚』も説く所である。「空と まじりあう 海にたたずんで」とは道場主の信仰する弘法大師=空海の名が含まれていて何だか気いい気分である(笑)。
理想と現実には勿論ギャップが在り、現実を無視した人生は許されない。無視する事は不可能ではないがその付けは必ず回ってくる。それでも「いつか人を疑い 生きる寂しさ知る事も 気がつかずに 全てを信じてた頃」な気持ちは失いたくない。それが不可能であっても多少なりとも近づくために人は努力しているのもまた事実なのだから。
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