翼の折れたエンジェル
解説 大黒摩季さんがボーカル、建部聡志氏がキーボード、真矢氏(LUNA SEA)がドラムス、恩田快人氏がバス、土谷公平氏がギター担当のバンド−大黒摩季とフレンズのアルバム『COPY BAND GENERATION VOL.1』の5曲目に収録。
原曲を歌うのは中村あゆみさん。中村さんの歌はこの他には「ちょっとやそっとじゃCan't Get Love」ぐらいしかダンエモンは知らないが、周囲が心配するぐらい喉を酷使してまで搾り出す独特の声に魅了される人は多く、さすがにこれに関しては摩季ファンのダンエモンもオリジナルの後塵を拝している様に思える。勿論摩季ボイスには摩季ボイスの魅力があるのだが。
さて、歌詞の解説だが、オリジナルが世にでた頃は道場主もまだ中学生頃で、この歌詞の主人公のティーンエイジでの恋にさほど違和感もなかったが、二十歳を過ぎた頃に「あいつにあずけた Fifteen」や「Sixteen 初めてのKiss」や「Seventeen 初めての朝」と言った歌詞にやきもちを妬くようになった事を白状しておこう(苦笑)。
タイトルにある「翼の折れたエンジェル」とは幼き頃からの夢を膨らませて育んできた愛が空しきものとなった、まさに「みんな 翔べない」状態を比喩し、嘆いたものだろう。この歌の歌詞には主人公と「あいつ」が思春期初っ端からの仲である事を示す歌詞が各所に見られる。
「Thirteen ふたりは出会い」だけでも明らかだが、「"もし俺がヒーローだったら 悲しみを 近づけやしないのに…”」や「チャイニーズ・ダイスをふって 生きてくふたりの夢を 誰もがいつだって 笑いとばした」といった歌詞等がそうである。
ところで歌詞に出て来る「チャイニーズ・ダイス」って何だろう?ネットで検索しても大半はこの歌の歌詞としてしか出て来ず(苦笑)、ラスベガスの梶野で使われていることが辛うじて分かっているのみである。誰か知っている人は道場主までお知らせのメールを(苦笑)。
寂しいのは、「私だけ知らなかったこと 許せないのは彼と魅力がなかった……(←「それ別の歌!!」by道場主)…ゴホン、ゴホン…悪ふざけは置いといて、寂しいのは若くして恋に落ちた故に「少しずつ ため息おぼえた Eighteen」とあるように、まだまだこれからの年齢でありながらどこか厭世的になってしまっている事である。
「翔べない」のは偏に「そんな あいつの つぶやきにさえ うなずけない」さみしい心にあり、それが「エンジェル」の「翼」を折ってしまっているのだろう。
寂しさを歌う意味においてこの歌は詞・曲供によくでき、マッチングもしている。だがダンエモン個人はまだまだ若い二人が寂しい心境のまま歌詞を終わらせて欲しくなかった。
故にダンエモンは「翼の折れたエンジェル」に告ぐ。「折れてしまった「翼」はまたつないで飛べ!」と。
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