月のように
解説 椎名恵さんの12thアルバム『Cherish』 のトリである10曲目に収録。道場主はベストセレクションアルバムで所持している。「万感」、「あなたを想う」並に短い曲である。
主人公が悩める「あなた」をやさしく慰める歌で、「Silent Moonlight 月のような Silent Moonlight 愛をあげる」や「あきらめた夢、どんな夢なの? 想い出しながらお休みなさい」と年上の女性っぽく甘えさせる雰囲気が年増好みのダンエモンにはタマラない(笑)。
話は逸れるが、古来より「月」には「lunatic」という言葉の語源になるように狂気をもたらすものとされてきた(実際に満月の夜は凶悪事件や交通事故が増える)。椎名ソングには「ガラスの月」や「二人の夏」の様に「月」が出てくる曲は多いが、そこにはlunaticとは無縁の陽光を反射しただけの柔らかな光の如き柔らかな優しさが歌われている。勿論ここで歌われる「月のように」も太陽の猛々しさと好対照である(もっとも椎名ソングは「太陽」も優しいのだが…)。
強弱に関係なく、「光り」というものが共通してもたらすやさしさがなんとも心地いい一曲である。趣味ではなく真剣にそんな心地よさに見を委ねてみたくなることは多い。
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