其之壱 重たいんだよ!! 其之弐 いや、何威張ってんの?!
其之壱 重たいんだよ!!
学校での歴史の授業で、古墳時代に天皇陵の石室や棺を造る為の巨石を「修羅」を駆使して運んだと学んだことを御記憶の方々も多いと思います。
陵造営は駆り出された人夫達にとって大変な重労働だった訳ですが、只でさえ、重い巨石なのに、必死こいて運搬しているその上で踏ん反り返る役人に理不尽なものを感じていたのは薩摩守だけでしょうか?
其之弐 いや、何威張ってんの?!
絵は歴史の教科書でも御馴染の『ノルマントン号事件』です。
この事件は明治一九(1886)年一〇月二四日に発生し、三重県四日市より和歌山県樫野崎までの沖合で、英国籍貨物船のノルマントン号が難破、座礁沈没したものです。
よく知られている様に、船長のジョン・ウイリアム・ドレーク以下イギリス人やドイツ人からなる乗組員二六名は全員救命ボートで脱出しましたが、日本人乗客二五名(二三名とも云われている)は、一人も助からず、全員が溺死する大事件となりました。
ドレーク達は漂流後、地元の日本人達の救助を受けながら、その後の裁判は不平等条約のために英国の領事裁判権が認められていたことにより、ドレークは無罪となりました。
あんまりな展開に日本の世論は噴火し、結果、ドレークは三ヶ月の禁固刑となっただけで、犠牲者に大勝する賠償金すら払われませんでした。
この事件が後の条約改正に向かう日本人の心に火を付けたのは有名で、上の絵はフランス人画家・ジョルジュ・ビゴー(日清戦争等の諷刺画で有名)が描いたものですが、近衛の通りのシーンがあったとすれば、ドレークは多くの日本人を見殺しにしながら何をカッコつけているんでしょうか?!?
残念ながら禁固刑の後のドレークの言動は不明ですが、恐らくは誠意ある対応など無かったことでしょう。
今年(平成26年)四月にも韓国船の沈没事故で、船長の無責任振りが大いに問題となっていますが、海難事故の無責任な船長はこれを最後にして欲しいものです。
戦国房へ戻る 令和三(2021)年六月一〇日 最終更新