TWILIGHT

         作詞 岡本真夜 作曲 岡本真夜 編曲 佐藤準
解説 アルバム『Pureness』の8曲目に収録されている、冬を舞台にした幻想的な曲である。デート気分漂う歌詞は所々で彼氏との距離を縮めようとする姿がうかがえる。
その1が「あなたに 手をつないでほしくて 手袋 わざとポケットの中 しまったままなの」である。再会や別れの際に握手するぐらいしか女性の手を握ったことのないダンエモンはどういうタイミングでカップルが手をつなぐのかよくわからん(苦笑)が、デートの際に如何にして手をつなぐか思考錯誤した記憶があるので(結果?聞くなよ!)、手袋を持っているのにださない芸の細かさは目に付く。
その2は「灯り始めた窓 二人で 声を出して数えた 帰りたくない バス 時間を 気にするあなたが 時計を見るたび 気づかないふり 悲しくなるから」である。一言で感想を述べるなら「そんなに帰りたくないのか?」である(笑)。窓の数を数えるのには作為的な時間稼ぎを感じるし、時計を見る「あなた」を横に気づかないふりをするのにはプラトニックな取り方と、アダルトな取り方がある。前者はとにかく時間を忘れ、愛する人と供にいたい気持ち、という取り方。後者は恐らくいまだに二人で夜を明かしたことのない、下世話な言い方をすれば寝床を供にしたことのない主人公が何とか「あなた」を夜の時間に引き込もうとする、という取り方(笑)である。
もっとも真夜ソングはダンエモンの愛好する他の二人の歌手に比べて、愛し合う際の歌詞内容がプラトニックに留まる傾向にあるので、ここは前者と取っておこう。
最後に触れておきたいのはこの曲のロマンティックな楽しみ所だろう。勿論それは冬の夜の描写で「12月 今日の景色 すべて いつまでも 私 忘れない」「手を伸ばせば つかめそうな オリオン」等が挙げられるが、さすがに冬の真夜中に生まれて、「真夜」と命名された女の描写は見事である(笑)。殊に「ねぇ こうしてまた きっと会えるよね 約束も 何もないけれど」という歌詞がさり気なく含まれていることで冬の夜空・景色といった万物に二人でいる時間を託さんとする気持ちを際立たせている。
何か昔愛した人に会いに行きたくなったなあ…。今となっては全員旦那持ちで勿論「約束も 何もない」のだが(苦笑)。


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