海でも行こうか

         作詞 大黒摩季 作曲 大黒摩季 編曲 建部聡志
解説 アルバム『PRESENTs』の5曲目にあるこの曲は歌詞・曲調共に物静かで、順番も中途に位置するためか、同アルバム収録曲中の存在感は微弱である。
 この曲の流れはかつて付き合っていた恋人同志が(恐らくは偶然に)再会し、その久方ぶりの再会を楽しみつつもかつての恋及びその別れを極めて前向きに捉えているところにその特色がある。
 注目したいのは、現在共に一人身である二人が、無理にくっつこうとしたり、現状に足掻くことなく、純粋に過去を懐かしみ、再会を楽しんでいるところにある。ダンエモンにとってそんな再会が楽しめそうな女性は二人しかいないが、その二人とて現在は人妻で、かつてダンエモンと付き合っていたわけではないから、この歌に登場してくる二人のような境地には達し得ない(苦笑)。
 この歌の歌詞のいいところとして買いたいのはやはりラストである。「あなたを愛してよかった いろんな私にも出会えたり やりたいことも見つけられたり いいきっかけだった」と言い切れるのはその思い出を何らかの形で昇華した現在の自分があるからだろう。
そしてそれは本来悲しいものである筈の別れもまた大切なプロセスとして受け入れられているからとうかがえる。「終わりってステキなものね」という歌詞が意外な様でそれでいて妙に納得できるのがこの歌の魅力である。
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